内容説明
政治学・法学・植民政策学などの「帝国」の政治システムを運用する実践的技術知の文脈を分析し、アジア地域との動的交渉のなかで近代日本の学知がいかなる相互作用と変容をこうむったかを明らかにする。帝国統治を本国から植民地への一方的な権力過程としてではなく、両者の相互規定的な関係性として捉える。
目次
序章 帝国のなかの政治学・法学・植民政策学
第1章 札幌農学校と植民学の誕生―佐藤昌介を中心に
第2章 変奏する統治―二〇世紀初頭における台湾と韓国の刑罰・治安機構
第3章 保護下韓国の条約改正と帝国法制―破綻した日韓両国法の地域主義的結合
第4章 植民地の法学者たち―「近代」パライソの落とし子
第5章 コスモス―京城学派公法学の光芒
第6章 「始原」と植民地の政治学―一九四〇年の中村哲
第7章 誰に向かって語るのか―「大東亜戦争」と新秩序の言説
第8章 「帝国秩序」と「国際秩序」―植民政策学における媒介の論理
著者等紹介
酒井哲哉[サカイテツヤ]
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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