出版社内容情報
教育という「未完のプロジェクト」の諸問題と可能性を、学校に限定せず広く現代文化の問題として考察。
内容説明
情報社会で変貌する教室と学校の未来?スマートな教育は良い教育なのか。現代社会の全体像を把握し、新たな知の基盤を築くための挑戦。
目次
1 教育改革の新しい理念?(教育改革と反知性主義;新しい時代の古典教育へ―教養主義の終焉のあと;「近代主義の残像」としてのフィンランド教育ブーム)
2 学校をひらくメディア(教育のビジネス化とグローバル化;電子教科書が崩す、「教室」という近代;学習者たちの青春小説―庄司薫からライトノベルまで)
3 生に介入する教育(食は教育の課題なのか―食育基本法をめぐる考察;スポーツ教育における人格陶冶と暴力制御;学校の秩序分析から社会の原理論へ―暴力の進化理論・いじめというモデル現象・理論的ブレークスルー)
著者等紹介
佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年生。京都大学大学院教育学研究科教授/メディア文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
3
私自身の偏見もあろうが、本書を読んで、日本の教育行政がいかに悪しき近代主義に縛られ、幅広く人を育てるという理念に欠けたものであるかということを再認識させられた。私自身の子供時代からの数十年を顧みても、受験競争に象徴される詰め込み教育、その単なる詰め込み記憶競争の弊害を乗り越えるべく唱えられた新しい学力観とその延長とも言えるゆとり教育、さらに最近ではその反動として、愛国心の養成や詰め込みの再強化といった具合である。私なども、無意識のうちにこのような教育行政の気まぐれさに振り回されてきたのだろう。→(2)2017/06/27
numainu
2
評価C2016/09/06