出版社内容情報
イデオロギーへの従属を免れえない映画作品と、芸術的革新によって従属からの離脱をはかる映画作家。一五〇余に及ぶ具体的な作品の分析を通して、旧来の映画史が決して見ることのなかったテクストの多様な連鎖を描き出し、日本における芸術とイデオロギーの照応と断層を織りなすコンテクストを浮かび上がらせる。
内容説明
イデオロギーの呪縛を免れえない映画作品と芸術的革新によって呪縛からの離脱をはかろうとする映画作家。旧来の映画史が見なかったテクストの複数の連鎖を描き出し、芸術とイデオロギーが織りなす複雑なコンテクストを浮かび上がらせる。
目次
アヴァンギャルド映画と古典的ハリウッド映画の融合―内田吐夢『警察官』(一九三三年)
白人コンプレックスを内在化する日本映画―村田実『霧笛』(一九三四年)
映画はミディアム・クールである―五所平之助『人生のお荷物』(一九三五年)
さんざめく光のなかで―清水宏『有りがたうさん』(一九三六年)
それでも世界はつづいてゆく―山中貞雄『人情紙風船』(一九三七年)
戦線における人間的真実―田坂具隆『五人の斥候兵』(一九三八年)
視線の集中砲火―溝口健二『残菊物語』(一九三九年)
救癩という名のイデオロギー装置―豊田四郎『小島の春』(一九四〇年)
未練がましいクロースアップ―山本嘉次郎『馬』(一九四一年)
検閲と削除―伊藤大輔『鞍馬天狗(横濱に現る)』(一九四二年)〔ほか〕
著者等紹介
加藤幹郎[カトウミキロウ]
1957年、長崎市生まれ。筑波大学比較文化学類卒業。同大学院博士課程文芸・言語研究科単位取得満期退学。映画批評家、映画学者。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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メルセ・ひすい
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