旅する人びと

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  • サイズ B6判/ページ数 300,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000263269
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C0322

内容説明

交通手段が乏しくても中世の人びとは長い距離を移動した。巡礼の旅、職人の遍歴、学びと説教の旅、宮廷の移動など、宗教・政治・経済・文化の諸事情が人を旅立たせた。そこでは自由意志による移動とともに強制的な移動もあった。閉鎖的で分断されているとみなされてきた中世ヨーロッパ社会接合の契機ともなった移動を考える。

目次

序章 「他所」への憧憬
第1章 移動の動機と条件
第2章 祈りと贖罪の旅
第3章 移動と労働
第4章 学びと説教(伝道)の旅
第5章 外交交渉と儀礼の旅
第6章 女性とマイノリティー
結論 超克される異界

著者等紹介

関哲行[セキテツユキ]
1950年茨城県生まれ。上智大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、流通経済大学社会学部教授。研究テーマは、マイノリティーと民衆信仰に焦点をあてたスペイン中近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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人生ゴルディアス

6
ヨーロッパの中世と題されたシリーズもの。書き手が高齢のせいかちょっと古い印象を受けた。移動を題材として、巡礼、商人、遍歴職人、伝道、外交儀礼の旅、征服による強制移住や奴隷などをそれぞれ概観する。時折差し挟まれる図のほとんどに見覚えがあって、なんの絵かわかるようになってきたので、少しは読書が身についているのかもしれないと思えた。参考文献をいっぱい掲載してくれているのは大変うれしいです。2022/07/08

MUNEKAZ

5
閉鎖的な印象の強い中世ヨーロッパだが、そのバックボーンたるキリスト教では「巡礼」が奨励されており、旅や移動に対する偏見が少なかったというのは成る程と思った。また著者の専門からイベリア半島でのユダヤ人やムスリムにも多く触れており、レコンキスタにより故地を追われた彼らがアジア・アフリカに広がっていく様が描かれている。終章にもあるように、こうした中世ヨーロッパ人の「旅」が海を越えて新大陸の「発見」につながり、現代の世界にも影響をあたえているのだ。2017/05/22

陽香

1
200902242017/11/10

1
やっと読了。満遍なく概説。地域偏差と個別事例終始とのバランスについて考えねば。にしても概説書を書かれる先生ってやっぱり凄いなぁ。2016/12/11

児玉

0
旅というよりも、移動して生活を営む人々に焦点を当てた本。 庶民の巡礼、遍歴商人・職人、ユダヤ人、ロマといった、中世ヨーロッパで頻繁にその居住地を変えた彼らの様子を知ることが出来る。 本書を読んで最も強く感じた印象は、中世ヨーロッパでは人々の移動がそう少なくなかったということである。 領主によって大多数の住民が居住地を縛られていたと考えていた私にとっては、これはとても驚きだった。 数多くの事例を紹介しているため、それぞれの説明はやや不足しているが、「移動する人びと」を知るには手頃な入門書だろう。2015/03/28

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