内容説明
「母」「主婦」…「女」役割の固定化の構造を解読し、解放をめざしてきた女性学のメインテーマ、性役割研究。共働きの増大や非婚・少子化の進むいま、雇用やケアをめぐって、性別役割分業が再編成されている―70~80年代から現在まで蓄積された研究成果が、この社会のジェンダー力学をより鮮明に浮き彫りにする。フェミニズムの根本課題は、まだ大きい。
目次
日本の女性学と「性役割」
1 性役割の史的成立と現在
2 性役割の形成と葛藤
3 性役割からの脱却
増補編1 私的領域における性役割の再編成
増補編2 公的領域への参入と性役割の再生産
増補編3 規範の錯綜と役割葛藤
著者等紹介
井上輝子[イノウエテルコ]
1942‐。和光大学現代人間学部教授。社会学、女性学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まなまな
2
日本のフェミニズムシリーズのうちの一冊。性役割のメカニズムというより、さまざまな領域におけるジェンダーの有様や性別役割意識について書かれている。フェミニズムを基盤としているので女性役割についての言及が多く、今まさに私自身も性役割葛藤があることから共感するところがあった。 また、私が生まれる前の出来事であったためアグネス論争について全然知らなかった。勉強になった。2022/11/09
佐々木
0
自分がもし女性の配偶者を持つ事になった時に心にとめておきたいと思った。2017/05/30
竜崎
0
I 性役割の史的成立と現在 ●性役割の史的成立 戦略としての女――明治・大正の「女の言説」を巡って (牟田和恵) ●主婦役割 「主婦研究」のすすめ (原ひろ子) ●イエ制度と性役割 日本の婚外出生の歴史的変遷 (善積京子) ●イエ制度と性役割 介護とジェンダー (春日キスヨ) II 性役割の形成と葛藤 ●母と娘 母と娘がかくメッセージ (平川和子) ●少年少女期のジェンダー形成 物語のなかのセクシュアリティ ――男性像と女性像の相互性をめぐって (関礼子) ●ジェンダー・アイデンティティの2013/10/05