出版社内容情報
デジタル・メディアの発達と並行して、視覚一般への関心も高まっている。見る歓び、見えない世界まで視野に収めた評論集。
内容説明
デジタル・メディアの急速な発達と並行して、写真やイメージといった視覚にかかわるもの一般への関心も高まっている。眼に映るものだけではない。人々は見えないものも見るために工夫を凝らし、さまざまなものにそれらを投影してきたのだ。われわれは、何を、どう見ているのか―カメラ・記憶・夢を手掛かりに腑分けした「視覚の解剖図」。
目次
1 眼をめぐって(金子國義のイメージの室内;視覚の人―六畳の病室の子規;旅行=滞在すること、移動すること)
2 見るための装置(写真・歴史・マイクロヒストリー;視覚装置1 一〇〇年後の視覚装置の再発見―バウハウスの写真;視覚装置2 窓あるいはフレーム)
3 見えない世界(老朽化・廃棄=記憶の喪失;微細な徴候から世界にふれること;無意識の夜のなかに―つげ義春の「夢の散歩」)
著者等紹介
柏木博[カシワギヒロシ]
1946年、神戸生まれ。デザイン史、デザイン批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
8
2017年10月1日の毎日新聞書評、養老孟司から。著者は武蔵美のデザイン評論・デザイン史のひと▲19世紀から20世紀にかけ、人文学は文字中心の科学に再編された。80年代に図像の再評価が始まる。デジタル化の進んだ現在はビジュアル全盛である▲19世紀前半に写真装置が発明され、百年後にベンヤミンが写真と複製技術について議論した。写真が発見したもの。クローズアップによる拡大画像。人体の意識のコントロール下にない仕草や表情。「目を閉じた自分の顔を見ること」▲写真の他に、ガラス窓の枠や、車窓のパノラマなども論じる 2017/11/02
takao
2
ふむ2023/06/30