出版社内容情報
権力争いの結果として予期せず皇位についた桓武は,王統の革新を強調すべく二度の遷都を行った.天皇を中心とした統治システムがしだいに安定するにつれ〈イエ〉意識が誕生し,いっぽう宗教や文学など背景となる時代精神も変化してゆく.長らく〈国風文化〉の源とされてきた平安朝の実像はいかなるものだったか.
内容説明
権力争いの結果、予期せず皇位について桓武は、皇統の革新を強調すべく二度の遷都を行った。以後長らく日本の都として栄えることとなった平安京。その黎明期、いかなる文化が形成されたのか。天皇を中心とした統治システムの変遷や、最澄・空海による密教の興隆、また地方社会の変化にも目配りしつつ、武士誕生の時代までを描く。
目次
はじめに―平安時代を脱ぎ、着る明治天皇
第1章 桓武天皇とその時代
第2章 唐風化への道
第3章 「幼帝」の誕生と摂政・関白の出現
第4章 成熟する平安王朝
第5章 唐の滅亡と内乱の時代
第6章 都鄙の人々
おわりに―起源としての一〇世紀
著者等紹介
川尻秋生[カワジリアキオ]
1961年千葉県生まれ。1986年早稲田大学大学院文学研究科修士課程史学(日本史)専攻修了、千葉県立中央博物館上席研究員を経て、現在は、早稲田大学文学学術院教授。博士(文学)。専攻は日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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