出版社内容情報
数々のテロ事件を受け、「ライシテ」の共和国フランスはいま政治と宗教、共生と分断のはざまで揺れている。大統領選挙の主要争点ともなったライシテとは何か。「フランス独特の厳格な政教分離」という通念を揺さぶる意欲作。
内容説明
数々のテロ事件を受け、フランスはいま、政治と宗教、共生と分断のはざまで揺れている。国内第二の宗教であるイスラームとの関係をめぐり、二〇一七年大統領選挙の主要争点ともなったライシテとは何か。憲法一条が謳う「ライックな(教育などが宗教から独立している、非宗教的な、世俗の)共和国」は何を擁護しうるのか。
目次
序章 共生と分断のはざまのライシテ(揺れる共和国―テロ事件と大統領選挙から;なぜ、いまライシテなのか)
第1章 ライシテとは厳格な政教分離のことなのか(分離から承認へ;右傾化と治安の重視;同性婚反対運動とカトリック ほか)
第2章 宗教的マイノリティは迫害の憂き目に遭うのか(シャルリ・エブド事件からヴォルテールの『寛容論』へ;カラス事件とプロテスタント;ドレフェス事件とユダヤ人 ほか)
第3章 ライシテとイスラームは相容れないのか(ヴェールを被る理由、被らない理由;フェミニズムとポストコロニアリズム;「原理主義」と括られる潮流 ほか)
終章 ライシテは「フランス的例外」なのか(ライシテを「脱フランス化」する;日本のライシテ)
著者等紹介
伊達聖伸[ダテキヨノブ]
1975年仙台市生まれ。東京大学文学部卒業。フランス国立リール第三大学博士課程修了(Ph.D.)。上智大学外国語学部フランス語学科准教授。専攻は宗教学・フランス語圏地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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