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岩波現代文庫
脳の可塑性と記憶

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006002374
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0140

出版社内容情報

人間の記憶は脳のどこに蓄えられるか。なぜ瞬時に思い出せるのか。本書は記憶を蓄える場としてのシナプスの可塑性に注目し、脳の記憶と学習のメカニズムを生涯探究し続けた著者による先駆的な意義を持つ遺書である。

内容説明

ほとんど無限の容量を持つ人間の記憶は脳のどこにどのように蓄えられ、長期にわたって保たれるのか。なぜそれを瞬時にして思い出すことができるのか。本書は記憶を蓄える場としてのシナプスの柔軟性に注目し、いまだ神秘に満ちている脳の記憶と学習のメカニズムを生涯探究し続けて、脳研究の歴史に輝かしい足跡を残した著者による先駆的な意義を持つ遺著である。

目次

第1章 脳の可塑性とはなにか
第2章 記憶の座をもとめて
第3章 神経回路はどのようにしてつくられるか
第4章 記憶の分子説とシナプス説
第5章 感覚・運動回路の可塑性
第6章 動物の記憶とヒトの記憶
第7章 三つの記憶システム

著者等紹介

塚原仲晃[ツカハラナカアキラ]
1933‐85年。58年東京大学医学部医学科卒業。63年同大学院修了。医学博士を授与される。同年、東京大学医学部助手。65年から68年まで米国に留学。70年、大阪大学基礎工学部教授に就任。77年から85年まで岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授を併任。82年から83年、米国ロックフェラー大学客員教授を務める。1985年8月12日夜、日航ジャンボ機123便に乗り合わせ、御巣鷹山にて逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gachin

1
ミクロとマクロの橋渡しが重要と説く。これは2023年現在でも課題/ 神経束を四肢筋へ移植できる。視覚野を運動野に移植すると脊髄下降路を形成して機能する/ 後天的半球除去や先天的な皮質過少でも知能に影響はない/ 立体視習得には臨界期がある。鳴禽の歌学習には選択性がある。これが進化するとき、歌のバウプランが進化しそう/ 時間記憶にはクロノス的物理時間とカイロス的真理時間がある/ アメフラシの鰓引込反射は参与する神経を全て記録できる/ シャムネコやアルビノ動物は視神経の一部が交差して外側膝状体へ投射。2023/12/02

四ツ谷

1
良書。'87年刊行だが同じような内容を検索すると2017年で本書と同じ内容の科学ニュースを見かけた。あとがきにもある通り脳の高次機能である記憶と可塑性(シナプス等の可変性)については未だ30年経っても発展していないのだろう。本文の始めの10ページで既に楽しい。アヴァロンの野生児が次第に感覚を獲得していくが、言葉は臨界期を過ぎていて話すことはできなかった。ペンフィールドの頭を切開しながら電流を当てる手術では記憶を患者が都度、フラッシュバックしていくことで脳の分野が1950年代に既に解明されていた(ヽ´ω`)2020/05/22

Lieu

1
意志的・無意志的に想い起こされるこの記憶は、いったいどこに保存されているのか。永遠にスリリングな問いである。細かい議論は素人の私には難しすぎたが、分子説やシナプス説など、先人たちが試行錯誤しながら追求してきたことはよく伝わってきた。 哲学や心理学の記憶論では味わえない刺激があり、科学の勉強をしなおしたいと思うほど面白かった。2020/02/23

hal

1
学生時代に読んだはずの本の再読。今読んでも新鮮で面白い。惜しい肩を事故で亡くした。合掌。2020/02/06

しょ~や

0
脳について分かってないことのなんと多いことか。塚原氏の考えの通り、全体としての脳の在り方を見る視点の発展に期待したい。2016/08/18

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