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岩波現代文庫
推定有罪

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  • サイズ 文庫判/ページ数 532p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021610
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

日雇い労働者の町での殺人事件、偽りの自白で被告とされた男を必死に弁護する若き弁護士の苦闘。刑事裁判の歪みを象徴する、実在した事件をノンフクション・ノベルとして丹念に描き、どう裁くかを読者に問いかける快作。

内容説明

労働者の街(横浜)で起きた殺人事件。やむなき偽りの自白で有罪とされた男の弁護を控訴審から引き受けた若き弁護士が、無実を信じて執念の闘いに挑む。審理を急いで真実の発見を怠る裁判官に、冤罪を訴える被告人と弁護人らの無償の努力は通じたのか。実在の事件をノンフィクション・ノベルとして丹念に描き、裁判員制度の下ではどう裁かれるのかを読者に問いかける。直木賞作家が渾身の筆で描く異色作。

目次

奇妙な事件
協力者
目撃者探し
控訴趣意書
光明
公判と傍聴人
私選弁護団
再考
被告人質問
祈りの日々
波乱
良心の貌
廷の涙
調書の謎
ふたたびの波
尋問の壁
取調官の貌
忌避
最終弁論
明暗
淵から

著者等紹介

笹倉明[ササクラアキラ]
1948年兵庫県に生まれる。早稲田大学文学部文芸科卒業後、広告代理店勤務等を経て、1980年『海を越えた者たち』で第四回すばる文学賞佳作。88年『漂流裁判』で第六回サントリーミステリー大賞を受賞。89年『遠い国からの殺人者』にて第一〇一回直木賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

56
笹倉さん、初読み。実在の事件をノンフィクション・ノベルとして丹念に描いています。門田隆将さんの「裁判官が日本を滅ぼす」でも感じたことですが、裁判官はあまりにも世間を知らず、高みから見下ろすような人物が多く感じてしまいました。この事例ではやむなき偽りの自白で有罪とされた男の弁護を控訴審から引き受けた若い弁護士の執念の法廷闘争を取り上げています。冤罪はこうやって作られ、結局無実の人が実刑を受けてしまったことは残念でした。2015/04/14

James Hayashi

24
直木賞受賞作家、タイで出家した著者。実話を基にした小説。名前は変えているが、ストーリーは事実に基づいているとのこと。自白をもとに、でっち上げられた犯行。警察の疎かな取調べ。1審での審議はなんであったのか?6時間の取調べで自供は取調べ室の可視化が行われた現在(一部のみ)でも不自然すぎる。取調べ前に、きちんと発言内容によっては判決に影響を及ぼす事を明確に伝えねばならぬ。弁護人も国選で全くやる気なし。カネにならない仕事に誰がリキを入れて励むだろう。弁護士資格を取ったばかりのイソ弁にこれを専任させるなど→2020/07/09

来訪者

8
横浜で起きた殺人事件で偽りの自白にて有罪とされた男性の控訴審を引き受けた弁護士が奮闘するノンフィクション。怖いですね、いくら20年以上前とはいえこういう作品に出会うと。最も怖いのは私自身も10年以上前に結果冤罪だった方が犯罪者扱いされてる報道(当時ニュースはこればかりだった様な気がします)を見て何の疑問もなく信じてしまった過去がある自分にですが。この本を読む限り法は万人に対して平等ではないと感じざるを得ません。謙太氏の手紙より「ある程度世論が騒がなければ刑事裁判は勝ち取れないと思う」←その通りかも。2012/03/30

ミノムシlove

6
時代劇の影響なのか、裁判長が善悪の判断をしてくれると勘違いする人は少なくなかろう。それまで司法と何の関わりも持たず、ごく正道を歩いてきた人ほどそうかもしれない。それにしても、言い方は悪いが、裁判官の当たり外れはっきりあると思える。2023/02/25

6

1
○警察と検察が親戚であることはわかっていましたが、裁判所までが親戚の関係にあるとは思いもよりませんでした。廷の涙2022/05/25

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