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岩波現代文庫
郊外の文学誌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 395,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021955
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

出版社内容情報

明治後期から戦後に至る東京の「郊外」の発展と文学芸術作品との関わりを論じた評論集。都市の発展史、鉄道や住宅開発の歴史にも及ぶ。国木田独歩から庄野潤三まで本書で取り上げた作家は作品がたちあがる場所を大事にしており、過去のしがらみの少ない郊外の住宅地は、個の姿がくっきり見えてくる新しい場所であると語る。

内容説明

明治後期から戦後に至る東京の「郊外」の発展と文学芸術作品との関わりを論じた評論集。都市の発展史、鉄道や映画、住宅開発の歴史にも及ぶ。著者は、国木田独歩から庄野潤三まで本書で取り上げた作家は作品がたちあがる場所を大事にしており、過去のしがらみの少ない郊外の住宅地は、個の姿がくっきりと見えてくる新しい場所であると語る。

目次

序 なぜ郊外か
花袋の代々木、独歩の渋谷
ツツジの里だった大久保界隈
蘆花の田園生活
練兵場と脳病院の青山
小市民映画の生まれたところ 蒲田とその周辺
加賀乙彦『永遠の都』の西大久保界隈
西洋館と軍施設のある―中野
麦畑と雑木林の残る―荻窪と高円寺
空襲の被害の少なかった―阿佐ケ谷荒川放水路の向こうに開けた―葛飾界隈
武蔵野の広がり―小金井界隈
多摩川沿いのサバービア
郊外に憩いあり―庄野潤三論

著者等紹介

川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年東京に生まれる。68年東京大学法学部卒業。評論家。91年『大正幻影』でサントリー学芸賞、97年『荷風と東京』で読売文学賞受賞(両書とも現在岩波現代文庫)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

onasu

15
東京の郊外、それは明治後期、鉄道の敷設により始まった。そしてそれは、近代文学の新たな場でもあった。  「花袋の代々木、独歩の渋谷」から、大久保、蘆花公園、青山…。花袋が萌えていたのは中央線で、傷心の独歩が散策していた武蔵野とは渋谷で、何れも都会の喧騒から離れた場所に越してきた!  そういう今では想像できない、東京の「(当時の)郊外」の街々を文学作品で辿っていく。だから「郊外の文学誌」と称しながら、郊外の方に重みがある…。  おもしろい作品です。ただ、長い&プチ飽きるで、大分時間が掛かってしまいました。2014/07/14

sashi_mono

10
東京郊外の発展と推移を小説やエッセイなどの文学作品から読み解いていく評論集。読み応え抜群、引用豊富。本書全体が東京郊外の描写になっている感じ。2019/11/10

ネムル

7
郊外はいいなーというぼんやりした気分をより精緻に楽しむために、とても重宝している。2021/08/10

コホン

0
色々な小説・映画をもとに東京が広がっていく過程を書かれているのですが、読みづらくて時間がかかる。これって、東京の土地勘がない人はどこまで面白いと感じるんだろうと気にかかる。2015/09/27

Yonowaaru

0
国木田や永井などある程度知っている名前から、庄野潤三など初耳の名前を通して、東京の様々な「郊外」を渡り歩くアカデミックに少し近いエッセイ集。「東京はただひたすら西に広がって生まれた」という主張はいくらでも突っ込みどころは残るにせよ、新しい視点や初めて聞く話がいっぱいあり、楽しく読めた。街歩きがまた楽しくなる。2024/02/25

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