岩波現代文庫
小津安二郎周游〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006022150
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0123

出版社内容情報

小津研究の第一人者が歴史の細部を見つめ,没後50年を迎える巨匠の生涯と全仕事を描きだす.膨大な資料を探索して書き得たファン必携の一冊.モダンボーイとして拳闘に熱狂し,所属部隊が毒ガス戦に関与するなど戦前・戦中期の興味深いエピソードも解明.更に蒲田,大船と撮影所の現場も活写し,日本映画の隆盛期を辿る.(全2冊)

内容説明

没後五〇年を迎える日本映画の巨匠の生涯と全仕事を見つめてきた小津研究の第一人者によるファン必携の一冊。人間小津の軌跡を驚異的な探索力で解明し、歴史の細部の検証をゆるがせにせず、映画史の該博な知識が全篇にみなぎる。上巻ではモダンボーイとして拳闘に熱狂、所属部隊の毒ガス戦への関与など戦前・戦中期の意外な事実の背景も明らかにしている。

目次

第1章 ボクシングのお話
第2章 蒲田行進曲の目撃者
第3章 修業と遍歴のカットバック
第4章 モダン都市の光と影
第5章 それはヨーヨーではじまった
第6章 碌々でもない三六年
第7章 『一人息子』の東京学
第8章 異国の戦野で
第9章 伏字の戦争

著者等紹介

田中眞澄[タナカマスミ]
1946‐2011年。北海道釧路市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了(国文学専攻)。映画・文化史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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踊る猫

25
豊富な資料から引き出されるのは、主に太平洋戦争の時期の小津の姿だ。そこには当然「黒歴史」というやつも含まれる。本書はそういう「黒歴史」も記しており、一級品の伝記として読める。小津を知らない私のような読者をも唸らせる平たい筆致が印象的だ。逆に言えばコアな分析を期待して読めば肩透かし……という結果で終わってしまいかねない。そのあたり痛し痒し。私はなんだかんだ言って面白く読めたので、下巻も期待して読んでいきたい。このレーベル、吉田喜重といい小津関係、日本の古い映画関係は好著が多い印象を受ける。川本三郎も読みたい2018/10/17

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