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岩波現代文庫
イスラームの世界観―「移動文化」を考える

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  • サイズ 文庫判/ページ数 237p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006031619
  • NDC分類 302.28
  • Cコード C0136

内容説明

イスラーム世界では、「うごき」が重んじられる。書斎にこもらず旅にでて学ぶ大学者たち、沙漠の奥から海にでて真珠とりをする遊牧民たち、さりげなく存在する「旅人保護の精神」、「無利子金融」の制度…。永年のフィールドワークから得た知見をもとに、偏った目的志向型社会のなかで、大事なことを見失いがちな私たちの生き方を根底から見つめ直させる比較文化論エッセイ。

目次

プロローグ 「移動文化」との出会い
第1話 海の遊牧民
第2話 大海へおどりでた人びと
第3話 移動の哲学
第4話 文化の移動―エジプト人の場合
第5話 共存か共生か
第6話 日本にもある「動の思想」
第7話 ホモ・モビリタス―あたらしい遊牧民の時代へ
エピローグ 「目的へまっしぐら」からの脱却

著者等紹介

片倉もとこ[カタクラモトコ]
1937年奈良県生まれ。72年東京大学大学院地理学博士課程修了。理学博士。国際日本文化研究センター所長、国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mm

24
イスラーム文化の基本にあるのは「移動」。同じところにじっとしていると、汚れが溜まって良くない。動かないのは弱いやつだけ。学問を極めるためにも、商売のためにも、特に目的がなくても、生活拠点は移動させるのが原則。移動して価値観の違うグループに会うと、お互いにお互いの違いを自然に受け止めて否定しない共生の生き方が身についている。どちらかを従わせたり、上位に立てる事もある共存ではなく、共生。日本にもかつては移動の文化があったのだろうが、いつの間にやら一所懸命、ひと所に落ち着く事に価値ができた。これからは違うかも。2020/07/17

中年サラリーマン

15
イスラム文化から見た世界を描いたエッセイ。文章が平易で分かりやすい。特に「イスラムってなんか過激?」って思っている人はこれを読むと目からウロコかもしれない。イスラムって案外色々な文化と共生をはかってきたことが分かるだろう。その共生の原動力となるキーワードが「動」の文化だ。一所懸命、一所に落ち着く、定年退職、とかく「静」を良しとする僕らの常識に異なる視点をいれるいい機会となる本かもしれない。2014/01/21

てっしー

5
内容自体は実に面白かったが、題名と副題を逆にすべきだと思った。イスラームの生活や文化とそこからくる世界観を論ずるというより、彼らの生活様式を中心に、移動文化そのものの素晴しさを説く本だった。構成面でも疑問符。第1章の、イスラームの移動範囲が海にも及んでいたとの言及は確かに面白かったけど、まずその前に地上での生活の在り方を解説してほしかった。(それは前提知識なのかな。)第6章丸ごと使って日本における移動文化について論じていたけど、この題で本を手に取った人はそれ知りたいかな?編集面でもう一工夫ほしかった。2015/03/29

ダージリン

4
最近、仕事で中東の方と接する機会が増え、イスラム関連の本を少しずつ読みはじめた。最近は中東各国も近代化が進み、年々様相は変わってきているのだろうが、遊牧民として移動を常として生きてきたことで培われてきた人々の考え方や価値観を少し理解出来た気がする。排他的ではなく大らかなイメージを受ける。彼等の文化を知るためには、尊重しながら近接していくことが何より大切なのであろう。2020/12/26

kui

1
下読み10分 60% 理解読み50分 85% 振り返り30分 90% この本はここまででいいかなと思ったので振り返り時間を取らないつもりでしたが、結局レビューを書く際に振り返りました。

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