岩波現代文庫
チェルノブイリ―アメリカ人医師の体験

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032289
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0198

出版社内容情報

1986年4月26日,旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で大惨事が発生.その六日後に骨髄移植の世界的権威であるゲイル博士は現地を訪れ,放射能を浴びた人々を治療する.事故現場への旅,患者のあいつぐ死,ゴルバチョフやシュルツとの会談.懸命な医療活動の体験に旧ソ連社会の観察を踏まえ,「核」の恐怖を描きだした迫真のルポ.

内容説明

骨髄移植の世界的権威であるゲイル博士は、チェルノブイリ原発事故が発生した一九八六年、事故直後にモスクワを訪ねた。放射能を浴びた人々を治療しなければならないという使命感が彼を衝き動かしたのだった。本書は事故現場の様子、患者の相次ぐ死、ゴルバチョフとの会談など、ゲイル博士の懸命な医療活動と核の恐怖を描きだした迫真のルポである。

目次

第1部 背景(チェルノブイリの犠牲者たち;原子力発電とはなにか;チェルノブイリ原発事故)
第2部 チェルノブイリの回想(モスクワへの旅立ち;モスクワ第六病院;治療の日々;患者の死;ゴルバチョフ書記長との会見)
第3部 続くモスクワへの旅(シュルツ国務長官との会見;チェルノブイリへ;医者として何ができたのか;再びチェルノブイリへ;チェルノブイリから学んだこと)
第4部 最後の警告(原子力発電への提言;核の時代に生きる)

著者等紹介

ゲイル,R.P.[ゲイル,R.P.][Gale,Robert Peter]
1945年生まれ。元カリフォルニア大学医学部教授。骨髄移植と白血病治療の世界的権威。チェルノブイリ原発事故の直後から現地で治療にあたる

ハウザー,T.[ハウザー,T.][Hauser,Thomas]
1946年生まれ。作家・コラムニスト

吉本晋一郎[ヨシモトシンイチロウ]
1927年生まれ。元英文朝日編集局長。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sasha

6
ソ連(当時)のチェルノブイリ原発事故後、日を置かずしてモスクワに渡り、被曝者の治療にあたった骨髄移植専門医の手記。治療面の詳細に期待したが少々肩透かし。だが、冷戦時代でも国境もイデオロギーも超えて、自分の専門知識が必要にされる場所へ赴くのは医療従事者の熱意なのだろうな。ゴルバチョフ書記長との面談の様子、ソ連側の医療従事者との交流なども興味深かった。2018/06/18

snoringdog

1
事故後被災者の治療についての手記と思ったが、当時の国際社会におけるソ連・米ソ関係、ソ連の政治的な意図についての分析、原子力の問題等、著者の言及は広範囲におよび、米ソ関係、核戦争回避に必要な本質など、色々考えさせられた。自然災害により甚大な被害がもたらされたとしても再生されるが、「原子力災害のような人工災害には、永久破滅の恐れがある」「(第六病院がなした最大の貢献について)人命救助に失敗したことが世界が放射能にいかに無力か実証してくれたから」このメッセージが印象に残った。今読むに値する名著だと思った。2022/04/30

psi_x

1
ゲイル医師がチェルノブイリであたった医療活動についての記述がつらつらと述べられている。その当時の白血病という病気がどのような病であったか、骨髄移植について詳しい。著者の体験や感じた事が良く描かれているが今ひとつ悲惨さが伝わってこないような気がして変な気分になった。2011/10/15

Remi

0
チェルノブイリ事件の裏でアメリカ人医師がソ連の医師と尽力し骨髄移植や被爆者の治療を実施する話。事件よりは、その当時のロシアとアメリカ、そしてイスラエルの関係に多くページをあてている印象。ドキュメンタリーと言うより日記寄りかも。2015/10/29

のら

0
うーん、現地の悲惨さというよりも、著者がいかにしてアメリカ人医師としての仕事を遺漏なく済ませてきたかという事に焦点があてられていて、余り読んでいて面白みを感じなかった。中盤に入る著者の自分語りに至っては読むのが実に苦痛でありさえした。2012/06/07

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