半島へ

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半島へ

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062169776
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「海松」を超えた、究極の「半島物語」  東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作「海松」を超えた、究極の「半島物語」

内容説明

その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで―。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために―。川端賞受賞の名作「海松」を超えた、究極の「半島小説」。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

41
朝鮮半島と勘違いして読み始めました。 志摩半島での1年弱の生活を描いた物語? 我が家は夫婦共東京出身なので、自然豊かな1戸建に暮らすのは、歳とってからは無理と諦めています。 読んでいても、虫の出没、ジメジメした湿地と大きなヤブ蚊。 筆者と同じく虫アレルギーなので皆さんのような感想にはなりませんでした。 車もないのでは毎日の生活が大変だったでしょうと、どうもマイナス思考になってしまいました。 2015/09/19

みねたか

25
「開発が途中で止まり栄華とは無縁」な別荘地。人々は,染め物,養蜂,野菜作りなどをし,森を散策しながら等身大で暮らす。東京暮らしから抜け出しその土地で1年を過ごした女。描かれるのは単なるロハスな日々ではない。全編に死者の気配が色濃く漂うなか,死者や死にゆこうとする者の回想を経て,彼女はこれからの生き方を選択する。自然の中での1年間の時を経て再生に向かう物語。彼女が一人で見上げる四季折々の夜空の描写が印象深い。2016/09/16

yukalalami

22
東京での喧騒から逃れ半島で美しい休暇を過ごすためにやってきた女性が主人公。生活の中心にあるのは四季、二十四節気。うつろうものは、うつろいのままに。これが無いと生きていけない、これは大事なもの、なんて思いこんでいるだけで、いざ全部捨て去って自然の中で暮らせば新たな自分を見つけられるし余計なことは考えずに生きていける。人は必ず老い死ぬ。頑張って働いて、生きて来たのだからこの先は生き急がず自分の時間で生きていってもいいのかな、って感じられた素敵な物語でした。2014/07/05

野のこ

20
「半島」での1年間の暮らし。四季を感じながら竹林のエネルギーで育つ筍に菜の花で採れた蜂蜜、闇夜にほのかに光るホタル。暦のメモが半島での日常感を演出して実際に体験しているようでした。そして稲葉さんのすっきりとした文章がストンとこちらに入ってくる。じんわりと日々の生活の疲れを癒してくれるような物語でした。お気に入りは「牡蠣が澄まし顔でつつと地面を這う」夜中のぞわぞわする気配と、母が蛍に魅了されるシーンと句。ついついホタル来い♪2017/03/07

おおた

20
場所は伊勢志摩あたりの半島。海と山の恵み両方を受けられる半島で、東京での生活を一時リセットする主人公が自然の恩恵を受けつつ、同じ場所で暮らす人々との交流と過去になじんでいく。事件らしい事件は起きない。こんな理解のある人たちに囲まれた田舎ならすてきだろうけど、現実はそんなに甘くないのではないかとも疑ってしまう。それでも季節の移り変わりを肌で感じ、自然の豊かさと厳しさの中で生きていく語り手を羨ましく思う。もっと早くこの著者を知ればよかったと、訃報を読んで後悔する。2016/06/14

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