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サバンナの動物親子に学ぶ

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  • サイズ B6判/ページ数 127p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062172035
  • NDC分類 482.4
  • Cコード C0045

出版社内容情報

アフリカの動物親子から学ぶ生きるとは何か
親に捨てられ必死に身を隠して生き延びようとする子ライオン、親を求めゾウに立ち向かうヌーの赤ん坊。死は生きてきたことを証明する一瞬の出来事にすぎないのか


「作家 落合恵子氏 推薦」
ここに、すべてのいのちの、原点がある。
寄り添う姿、分かち合う姿、協力し合う姿。
そうして、時には突き放す姿もまた。
わたしたち、人間が学ぶ、暮らしの流儀が
ここに、確かにある。
                 落合恵子


羽仁 進[ハニ ススム]
著・文・その他

ミロコ マチコ[ミロコ マチコ]
著・文・その他

内容説明

「生」とはなにか、「死」とはなにか。短くても美しく生きる捨て子ライオン。子どものために死の中に飛び込むヌー。他者の死を悼み弱者をいたわる象…「生」の重さはその長さだけではない。

目次

序章(いかに生を楽しむか;死を完成させる;死は必要なもの;生と死を見つめ直す)
第1章 生の重さはその長さだけではない(短いが美しい生命―捨て子のライオン;生きていこうと必死の兄妹ライオン;人間の手で解決できないこと)
第2章 生きることの大切さを学ぶ(小さい動物の子の巧みな戦略―ガゼルの子の場合;死の中に飛び込む―新しい母を探すヌーの子ども)
第3章 子のために生きる母(ライオンの代理母の場合―母と子の姿は多様だ;自分の行動に真面目であること―子を殺された母ライオンの怒りと悲しみ;生と死の境目―新しい経験に挑む;子のためにワニのいる河を渡るヌーの母親)
第4章 他者の死を悲しむ(喜びを分かち合う―バッファローの赤ちゃんから逃げる巨象;他者の死を悼む―弱者を思いやる気持ち;弱者をいたわる心―象は他者を死から守ろうとする)
第5章 肉食には存在意味があるのだ(多くの生命に新たな生を与える―ライオンとバッファローの戦い)
終章

著者等紹介

羽仁進[ハニススム]
1928年、東京生まれ。共同通信社記者となるが、岩波映画製作所創立に参加し、映画監督となる。代表作に『絵を描く子どもたち』『不良少年』『初恋・地獄篇』『アフリカ物語』など。キネマ旬報作品賞・監督賞、ベルリン国際映画祭特別賞、モスクワ国際映画祭審査員特別賞、日本映画ペンクラブ賞受賞。記録映画保存センター代表理事

ミロコマチコ[ミロコマチコ]
1981年生まれ。画家・絵本作家。勢いのままに書く動植物を自由な思考と多彩な発想で表現する。大阪・東京を中心に展覧会多数開催。2010年、初の絵本となる『やまのいえで』をカイトプレスより刊行。同年より美術同人誌『四月と十月』の同人となる。第6回ピンポイント絵本コンペ入選。第160回、164回、165回ザ・チョイス入選。HBファイルコンペvol.21藤枝リュウジ賞大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

112
サバンナの動物たちにとって、生と死は一つながりのもの。狩る方も狩られる方も全力で生を駆け抜ける。動物たちにも死を悼む心がある。並外れた強さを手に入れた象は、多分それ故に弱者へのいたわりの精神を持っているという。自分の種族ではない草原の骨片を弔うように撫でる。わが子を殺された雌ライオンは、長い時間をかけて死体を全て食べてしまう。本来であれば、死せる身体は大地に置き、他の生き物が生きるために捧げられるのが理であるのだが。映画監督が見続けた動物たちの生と死の物語に、ミロコマチコさんの力強い絵が彩りを添えている。2016/04/07

みさどん

15
羽仁進さんは子どもの頃、動物学者としてテレビによく出られていたっけ。たくさんの動物たちの事例を見てこられて、生と死についてわかりやすく書かれている。私たちは自然公園の中で繰り広げられる動物の生き様をテレビで観るだけなのだけれど、そんな環境も日々悪化しているらしい。ラジオでも毎日ものすごい広さの原生林が伐採されていると聞いて、弱肉強食以前に種の保存さえ危ぶまれている状況が変わらないといけないのだと。自分の力だけで生きていくサバンナの種がなんと神々しいことか。2017/09/10

rubyring

3
動物たちは生と死という大問題を考えたことがある。しかし、死を避ける工夫よりも生を楽しむことに重きをおいている。死を避けることばかり考えていると、生の輝きまで失ってしまう。命の大切さばかりでは語ることのできない生命の真実がある。2016/05/05

テツ

3
サバンナに暮らす動物たちの生と死について。彼らの行動理念はとてもシンプル。『私と同じ種族が生き延び繁栄すること』 生きることへの執着。生きのびることへの執念。こうした強い思いが薄れてきたときから人類特有の悩みが生まれた気がするな。まずとにかく今日を生きること。サバンナで繰り広げられる生命の円環はとても力強く美しい。2014/07/28

遠い日

3
ミロコマチコさんの絵を追っかけて。けれども、まさに本に呼ばれるということ。長くサバンナに住まわれた羽仁さんの観察と洞察とによって、動物たちの生と死を、いやもっとかれらの死生観までをも解釈した本。サバンナで、日々起こる「死」の意味は厳しく、尊い生へと繋がる。ライオンやヌーの代理母の話は、心が震えた。既知のことも未知のことも羽仁さんのことばで語られると、重く響く。ミロコさんの挿絵は、力強くぐいぐい迫ってくる力に満ちていた。2012/11/13

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