出版社内容情報
松本 俊彦[マツモト トシヒコ]
著・文・その他
内容説明
自分を変えたい人へ―第一人者の精神科医が「診察室で伝えていること」をやさしく語ります。
目次
第1部 自分を傷つける生き方を理解する(死ぬためじゃないし、アピールのためでもない;「鎮痛薬」としての自傷;それで本当に問題は解決していますか?;「死への迂回路」としての自傷;「嫌なことを忘れたい」―物質乱用・依存と過量服薬;「食べるのがこわい」「食べるのがとまらない」―摂食障害;自分を傷つける関係性)
第2部 自分を傷つける生き方から回復する(自傷の状況を観察する;自傷にいたるパターンと対処法;現在の生活を見直す;もしも精神科医にかかるなら;自分を傷つける生き方から回復するためのヒント)
著者等紹介
松本俊彦[マツモトトシヒコ]
1967年生まれ。独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター副センター長/薬物依存研究部診断治療開発研究室長。佐賀医科大学医学部卒業。神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学医学部附属精神科などを経て、平成22年より現職。自傷・自殺・薬物依存に関する講演やテレビ・ラジオ出演なども多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
93
読友さんの感想から。元リストカッターとして、もっと早くに本書に出会いたかったなぁと思いました。読み手への優しい語り口や「そうそう、そうなの!」と大きな共感を感じられる内容は当事者は勿論、その周りにいる人達にも是非読んで欲しいものです。第2部に書かれる自傷からの回復方法は具体的で、とても解りやすいので、今自傷に悩んでる方もかなり参考になるのではないでしょうか。心に留めておきたいのは、とにかく自傷行為を否定しない、当事者の気持ちに寄り添う、サポーターは複数作る、等。読むと励まされる1冊。良書。また再読したい。2017/04/10
コージー
44
★★★★★著者が臨床経験を経て伝えたかった「自傷する人」に向けた本。自傷を免れる具体的な対処法や、精神科医の選び方など、自傷から回復するヒントが、いろんな角度から紹介されています。また、なぜ自傷してしまうのかという理由がとてもリアルに語られています。自傷する人の家族や支援者の方にも、ぜひ見てほしい良書です。【印象的な言葉】自傷する人が切っているのは、皮膚だけではないのです。意識のなかで、つらい出来事や、つらい感情の記憶も切り離し、何もなかったことにしている、ということなのです。2019/02/01
香菜子(かなこ・Kanako)
30
自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント。松本俊彦先生の著書。自傷問題の専門家である精神科医の松本俊彦先生だからこそ書ける素晴らしい一冊。自傷問題を起こす自傷者を問題視したり敬遠したりするのではなくて、自傷者に親身に寄り添う松本俊彦先生の精神科医としての誠実さが伝わってきます。松本俊彦先生のような精神科医の先生が世の中にもっと増えると、患者さんやその家族も安心できるはず。2019/07/19
澤水月
25
回復したくない血に浸かりたいと遂に最悪状態で読了、その間ひと月で9回は切り、血まみれ。傷撫ではライナス毛布。生きる為辛いPTSD抑え乖離する為に切らざるを得ないとの文言心透かされた。「周囲には生傷隠し、治りかけはむしろ誇れ」超分かる紅い内は安心。著者の言葉は地に足つき全部頷く。トリガーとシンカー(錨)見極める。自傷=悪と頭ごなしにせず臨床で患者から学ぶ姿勢。真面目になりすぎない。支援者(福祉、恋人)1人にしがみつかずリスク分散。身体改造モディファイにも目端きく。汚ければ自傷、確かに。年単位積読やっと読む2018/10/24
ちくわ
23
自傷や薬物依存の方を多くみてきた専門家による、「自傷してしまう人」に向けたメッセージが集められています。若い頃の自分を思い出し共感できる部分も多くありましたし、また誤解していた部分もありましたので、読んでよかったと思いました。(☆4)2021/05/21