講談社選書メチエ
「膝栗毛」はなぜ愛されたか―糞味噌な江戸人たち

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582940
  • NDC分類 913.55
  • Cコード C0393

内容説明

ヤジさんキタさんは江戸っ子ではない?しかも同性愛関係にあった?艶笑と猥歌に満ちた内容から、このような設定が現代日本人の知識から切り離されてしまった「膝栗毛」。二〇年にわたって書き継がれ、二〇〇年にわたって享受された大ヒット作の「笑いの本質」と「文化現象の構造」に肉迫する。

目次

第1章 『道中膝栗毛』の笑い(『道中膝栗毛』理解のための基礎知識;『東海道中膝栗毛』の執筆方針;嘘と失敗だらけの二人組;色気と食い気;性的視線と「表裏」の文学)
第2章 「膝栗毛物」という文化(受容史二〇〇年;『道中膝栗毛』のマルチメディア展開;『道中膝栗毛』の言語史;数々の異本「膝栗毛物」;大ヒットの原因)
補章 『道中膝栗毛』の出版と作者十返舎一九について

著者等紹介

綿抜豊昭[ワタヌキトヨアキ]
1958年東京生まれ。中央大学文学部大学院修士課程修了。現在、筑波大学図書館情報学系教授、博士(文学)。専門は和歌、連歌作者についての研究。近年は図像学に研究対象を広げ、「庶民の知識化」をテーマにしている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なおみ703♪

7
三浦しおん『三に四郎はここから門を出た』紹介本。巻末の参考図書と索引がしっかりして、読了後に購入。仕事柄、東海道への旅に興味を持ったこの夏。十返舎一九『東海道中膝栗毛』と、著者名もタイトルも語呂が良かったから高校の歴史で覚えたままに今も記憶にある。ヤジさん、キタさんの珍道中で江戸庶民に浸透した滑稽本で、私の住む街でいうと、「五右衛門風呂ぶっこわし」シーンが有名、ぐらいの理解だった。でも、内容を教科書で扱うことはなかったし、これだけの旅ブーム、もっと知られてもいいはずなのに…、と思っていた疑問が氷解した。2018/08/18

Yuko

0
まず、膝栗毛がシリーズものであったことにびっくり。そして十返舎一九以外による様々なメディアによる「栗毛もの」が出ているらしい。タイトルにもあるとおりなぜそれほどまでにヒットシリーズになったのかがよくわかる一冊。いつの時代も皆下ネタ好きなのね。後半はややアカデミックな内容。2013/01/03

Minoru Kakegawa

0
『膝栗毛』は『東海道中膝栗毛』だけではなくて、続編を重ねて21年も書き継がれたのかあ、ふーん、と思った。原典をきちんと読んでから、この本を読めばもっと楽しめたかもしれない。2014/07/11

マカロン

0
時代によって性のとらえ方が違うという。現在は性=陰って感じだもんな。笑いも時代によって違う。一昔前のお笑い番組でさえも、今見てもピンとこないことが多いし。笑いって難しい。古典として、東海道中膝栗毛が後世まで広く読み継がれるということは残念ながらないと思う。2012/12/23

skk1206

0
「膝栗毛」がどのように日本人に受容されていったのかのメディア論。再生産を繰り返し、原作が読まれなくとも、だいたいみんな弥次喜多を知ってる、という状況がいかにして出来したのかを解明。くだけた文体を心がけてうのかもしれないけど、いろいろ詰めが甘い。電車本として。2011/10/28

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