講談社選書メチエ<br> 近代日本の戦争と宗教

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講談社選書メチエ
近代日本の戦争と宗教

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584746
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0321

内容説明

戊辰戦争によって新たな政権が誕生してから、日清戦争・日露戦争の勝利によって対外的な地位を向上させるまで、明治国家のあゆみには、戦争がともなっていた。そうした戦いのなか、神社界、仏教界、キリスト教界は、いかなる反応をみせたのか。従軍布教や軍資金の提供といった積極的な協力姿勢から、反戦論・非戦論をはじめとする、消極的姿勢―、その実態を描く。

目次

第1章 戊辰戦争と宗教―権力交代劇の狭間で(戦争と本願寺;神職たちの戦争と天皇の祈り;徳川家菩提寺のゆくえ)
第2章 台湾出兵―初めての海外派兵と軍資献納(初の海外派兵と大教院;出兵と神宮・出雲大社;その他の神社界の動向と外交交渉の妥協;凱旋と教導職賀章上呈)
第3章 西南戦争―日本最期の内戦の中で(教部省の廃止と戦争の勃発;戦争下における真宗;戦争下における神社;真宗解禁の意義とその後の田中直哉)
第4章 日清戦争―アジアの大国との決戦と軍事支援(戦争の勃発と仏教界の協力;キリスト教界の協力と戦争観;神道界の動き;「従軍」から「開教」へ)
第5章 日露戦争―列強との対決と「団結」(ロシア正教迫害問題の発生と正教側の対応;ロシア正教問題に対する政府・宗教界・軍の対応;日本軍の展開と従軍布教;キリスト教界と非戦の声)

著者等紹介

小川原正道[オガワラマサミチ]
1976年、長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。現在、慶應義塾大学法学部准教授。博士(法学)。専攻は、近代日本政治史・政治思想史・宗教行政史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

1
幕府(東本願寺)と天皇(西本願寺)、芝増上寺と上野寛永寺の焼失、神仏合同による教武省・大教院政策、真俗二諦、真宗の鹿児島不況、台湾・朝鮮等への布教、ロシア正教迫害等宗教と戦争の関わりを丹念に追います。知らないことばかりでした。宗教は非戦とイコールと思っていますが、積極的に国威発揚の道具になりうることには認識を改めました。(以前、別のペンネームで書いたものをkojiに移しました。) 2010/09/02

onepei

1
宗教を作り出したのも信仰するのも人間。団体としての宗教は国家には勝てない。2010/08/01

koji2

0
幕府(東本願寺)と天皇(西本願寺)、芝増上寺と上野寛永寺の焼失、神仏合同による教武省・大教院政策、真俗二諦、真宗の鹿児島不況、台湾・朝鮮等への布教、ロシア正教迫害等宗教と戦争の関わりを丹念に追います。知らないことばかりでした。宗教は非戦とイコールと思っていますが、積極的に国威発揚の道具になりうることには認識を改めました。2010/09/02

たぬき

0
底流2010/08/01

Eli

0
国家神道へ繋がる道筋が、まさか新政府軍による討幕から始まっていたとは思いもよりませんでした。 仏教は、伝来してからは統治者の戦争協力、後には参加を積極的に行っていたため、別段驚きを感じません。 意外だったのは、穢れを避ける神道が、国家に役立つ必要性の証明を行うために、戦争協力へ進んだことです。 禁令を解かれたキリスト教も、居場所を確保するために巻き込まれていきます。 結果、多くの宗教指導者と信仰者が、先導する国に従い、そして戦争へと突き進みます。戦いを義戦と宣伝しながら。2024/04/21

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