内容説明
競争しない若者が「競争社会」を変えてしまう!格差社会の上下にはさまれた、大多数のごく普通の若者たちの意識と行動をリアルに分析。
目次
第1章 若者の眼に映る競争社会
第2章 競争社会の昔と今
第3章 仕事と結婚はどう変わっていくか
第4章 「和」の世界に憧れる若者たち
第5章 「半径1m以内でまったり」が好きな若者たち
第6章 若者は競争社会をこう変える
著者等紹介
岸本裕紀子[キシモトユキコ]
1953年、東京都に生まれる。エッセイスト。慶應義塾大学卒業後、集英社「non‐no」編集部に勤務。その後渡米し、1984~89年までニューヨークに滞在。ニューヨーク大学行政大学院修士課程修了。女性の人生を扱うエッセイのほか、政治・社会評論も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チャー
16
社会の情勢と若者の動向を著者の視点で分析し紹介した本。10年以上前の著作だが幾つかの点はさらに助長されている気もした。競争が普通に語られ、終身雇用が崩れ始めた時期に社会人になった世代は、頑張ったら報われるという考えを持ち難いという指摘はなるほどと思う。業績が右肩上がりの社会環境とは異なる点や、上の世代の働き方を目の前に、そこそこで済ませ安定を求める傾向がある。感動に対し与えられるや伝えるという扱いに違和感があるという指摘は印象的。便利さの弊害として自ら行動し獲得する気概が低下しているのかもしれない。2022/03/16
Humbaba
3
昔と比べて現代は格段に生きやすくなった.若者は,自分たちが社会に出た時からすでに様々なものが揃えられていた.背伸びをして何かを得ようとしなくても,近場にあるモノで充分に幸せを実感できる.そのような状態において,リスクを犯すメリットを感じられないということは仕方ない面もある.2012/08/08
ゆう
2
データーに基づいた数字が多用されているけど実際に著者が直接調べたデータはほとんどなく引き込まれる部分は全くと言っていいほどなかった。管理職世代が若者をどう思っているのか、若者が管理職世代にどう思われているのか、その情報を知るには少なからず役に立つのかな?新しいことに挑戦しなくなったりモノが増え、コミュニケーション手段が発達した事で1mで事足りるようになったということなんだろうけど自分がタイトルから期待するような内容はなかった。2009/06/20
みのにゃー
1
6年前の本ですが、この傾向は続いています。筆者は必然と考えているよう。p56より小泉内閣の閣僚になったばかりの竹中氏がある大学で講演したとき「就職しても安泰ということはない。一生、労働資源としての自分を磨き続けなさい」と言いました。どういう意味で言ったのかわかりませんが、自分なら一生底辺で働き続けろと言われたような気になります。2013/11/03
ゆう
1
この手の新書を、発売から数年経ったいま読んでもあんまり意味ないとは思うんだけど、、、競争社会にしろなんにしろそうだけど、何をもって競争社会と言うのか政府も定義を明確にすべきだし、作者はそれに言及していたけど、結局落としどころが分からなかった。テーマがざっくりしすぎてて、結局何が言いたかったのだろうか。2013/07/25