「赤」の誘惑―フィクション論序説

個数:
  • ポイントキャンペーン

「赤」の誘惑―フィクション論序説

  • 蓮實 重彦【著】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 新潮社(2007/03発売)
  • ゴールデンウィーク ポイント2倍キャンペーン対象商品(5/6まで)
  • ポイント 48pt
  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2024年04月29日 20時42分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103043515
  • NDC分類 902.3
  • Cコード C0095

内容説明

漱石、子規、鴎外、ポー、ドイル、ハメットなど多くの名作の中にひっそりと生れ、作者と読者を静かに誘い、やがて炎の如く世界を染め上げる色=「赤」。この魔性の色と「フィクション」との、驚きに満ちた関係性が徹底的に考察され、ギリシャ的な図式や多くの理論家の呪縛から読者を解放する。フィクション論の決定版。

目次

序章 「誘惑」から「擁護」へ
1 「赤」の誘惑
2 理論と混乱
3 可能世界と構造分析
4 少壮歴史家の書斎で
5 編みものをする女
6 ギャラリーから市街電車へ
7 「類推の魔」
8 地球儀と証言
9 「緋色の糸」に導かれて
10 「赤」の擁護
終章 仮象、出来事、フィクション

著者等紹介

蓮實重彦[ハスミシゲヒコ]
1936(昭和11)年東京生れ。東京大学文学部仏文学科卒業。教養学部教授を経て93年から95年まで教養学部長。95年から97年まで副学長を歴任。97年から2001年まで第26代総長。主な著書に、『反=日本語論』(1977、読売文学賞受賞)『凡庸な芸術家の肖像 マクシム・デュ・カン論』(1989、芸術選奨文部大臣賞受賞)『監督 小津安二郎』(1983、仏訳映画書翻訳最高賞)など多数。1999年、芸術文化コマンドゥール勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

69
分析哲学や文芸での「フィクション」を論じるときに、かならず「赤」という言葉がでてくるのだ、と著者。だいたいフィクションという概念自体が実に曖昧なままで、著名な学者たちもそれらしく論じているのだが、著者はツッコミを入れまくる。正直力技というか、無理矢理感があり、馴染みのない学者名や概念が自由自在にでてきて翻弄され、論旨を追うこと自体難しく、貸出期限が近づいたのもあり不本意な読書だった。だがこういう著者であると、いささかの問題意識も確認できたから良しとしたい。まあ、手元に置きたいとは思えなかったのは正直な話。2018/07/20

kthyk

16
親友の妻、三千代を奪い、そのことから父親や兄の怒りばかりか社会や人間も敵としてしまった代助。白い花の薫りに包まれた世界は赫たる炎火に包まれる。赤い郵便筒、赤い蝙蝠笠、真っ赤な風船玉、赤い車・・・「世の中真っ赤になった」。この書は「漱石の「それから」はあくまでフィクションとして読まなければならぬ」としている。ルーマンの「社会の芸術」では1 9世紀後半、近代的なものとして、模倣が放棄されただけでなく、虚構性もまた放棄されたりということだ。そうだろうか、フィクション論は文学や音楽・建築にはいま最も重要だと思う。2022/07/07

しゅん

15
フィクションを論じることがどれだけ過酷で困難なことか。本書はそのことだけを執拗に明示し続ける。フィクションの体系を語ろうとすると、テクストが必ずそこから溢れていく。ジュネット、ラカン、アウエルバッハ。高名な理論家達が次々と罠に嵌まっていく。こぼれ落ちた言葉の中には、何故だか「赤」がつきまとう。フィクションに触れるためには、テクストから目を逸らさず「赤」と戯れるところから始めるほかないーーテクスト論者およびテマティストとして名高い著者ならではの不可能との接触。愚直なまでに論理的な書き方が強く印象に残った。2017/06/24

ミツ

5
阿部和重から。初蓮實重彦。かなりクセのある文体で論旨が追い難い。序章終章の他10章からなりフィクションと「赤」に関する考察がなされる。各章ごとにみればどの論考も難解だが面白く示唆に富んでいるが、本書全体の論のつながりが不鮮明で読み通して全てを理解するには相応の知識と根気と体力が必要。個人的にはフィクションにおける『模倣』や可能世界論と構造分析に関する箇所が興味深かった。佳作、だが要再読か。2010/11/01

OjohmbonX

3
なんちゅう困難さ。汎用的な体系を打ち立ててフィクションを語ろうとすれば結局は体系に現象(フィクション)を隷従させるハメに陥る。そして現象は体系をすり抜ける。そんな罠が張り巡らされている。(罠にはまった人たちが本書では何人も挙げられることになる。)でも網の目を細かくしてもダメ。フィクションの同一性の曖昧さのせいで原理的に網目をすり抜けてしまう。じゃあどうやって語り得る? この困難さ。本書では罠にかかった人達が具体的に何を語り落としたかが例示される。そうやって実作そのものにひたすら目を向けるより道は無さそう。2011/02/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/438845
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。