出版社内容情報
百一歳の眠り続ける謎の老人。その人生が、EU離脱に揺れるイギリスの戦後史に重なって――奇想に満ちたポスト・ブレグジット小説。
内容説明
国民投票でEU離脱が決まったことも知らず、101歳のダニエルは、イギリスのとある村の療養施設で眠りつづけている。足しげく彼を見舞い、語りかけ、本を読んできかせるエリサベスは32歳の非常勤講師。少女時代を過ごした家の隣人がダニエルだった。当時すでに老人だった彼は、エリサベスに詩や小説、舞台や音楽、絵画の魅力を折りにふれ伝え、いつもこう訊ねた。「何を読んでいるのかな?」―エリサベスと母との確執、60年代に早世した女性ポップアーティストとダニエルのかなわなかった恋、ナチの手にわたったらしい彼の妹…。かつてない分断にさらされるイギリスと、時代の変転を越えてつづいてゆく人々の人生を描いたブッカー賞最終候補作。
著者等紹介
スミス,アリ[スミス,アリ] [Smith,Ali]
1962年、スコットランド・インヴァネス生まれ。ケンブリッジ大学大学院で学んだ後、エディンバラの大学で教鞭を執るが、ケンブリッジに戻って執筆に専念。デビュー短篇集Free Love and Other Stories(1995)でサルティア文学新人賞を、長篇The Accidental(2005)でホイットブレッド賞を、『両方になる』でゴールドスミス賞、コスタ賞、ベイリーズ賞を受賞。現代イギリス文学を代表する作家の一人で、タイムズ文芸付録による2018年のアンケートThe best British and Irish novelists todayで1位に選ばれている
木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年生まれ。大阪大学教授。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buchipanda3
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南雲吾朗
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