内容説明
これぞ日本のスローフード。史実に、落語に、川柳に、そして物語に語り継がれた花のお江戸の食文化を、江戸っ子料理人が再現する。全40品、詳細レシピ付。
目次
春の膳―江戸の春は“初物”から
鰹料理三種―女房を質に置いても
夏の膳―花火、祭に鮎、初茄子
もどき―食べてビックリ“もどき”料理
秋の膳―食べ物の一年が始まる季節
菓子―砂糖の和菓子は贅沢品
冬の膳―食べ物がいちばん旨い「寒」
正月―雑煮は家長が汲んだ若水で
著者等紹介
福田浩[フクダヒロシ]
1935年東京生まれ。早稲田大学文学部卒。「三到」にて修業後、家業を継ぎ、現在、大塚「なべ家」主人。長谷川青峰、川上行藏両氏の指導を受け、料理古書の世界へ誘われる。食生活史懇話会同人、食生活史研究会同人、蕎話会主宰
松藤庄平[マツフジショウヘイ]
1937年生まれ。法政大学経済学部卒。59年新潮社入社、「週刊新潮」写真部を経て「芸術新潮」の写真を担当。90年に個展「熊野」(新宮市)、92、93、94年の「風の会」展に出品。現在フリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
342
著者(兼料理人)の福田浩氏は家業の日本料理店を継承する傍ら、料理古書に親しむ。一方の松藤庄平氏は『芸術新潮』の写真を担当する。なかなかに眼福な一書。やはり料理、ことに日本料理は目でも味わうもの。しかも季節感との一体感もひとしお。巻頭は豪華な花見重。そして長命寺の桜餅。江戸っ子が愛好してやまない初鰹の刺身。当時は芥子で食していたらしい。以下のお料理のいずれもが『料理早指南』や『嬉遊笑覧』など江戸期の文献によったもの。江戸の料理書への興味も掻き立てられる。2021/03/18
バニラ風味
19
初物や粋にこだわる、江戸庶民の食べた料理が紹介されています。春夏秋冬に分け、また、もどき料理や菓子などのおおまかなレシピも掲載。イラストや写真も沢山あり、食べたくなっちゃいます。私のお気に入りは、春はちょっとお酒が入っただけのシンプルな蛤鍋。夏は凝り(煮こごり)、透き通った朱赤の西瓜糖! 秋は焼き柿、冬は煮やっこ。鮑そっくりの松茸料理、はじき葡萄も、とても興味深し。江戸にワープして食べてみたい!2016/03/05
猫
9
図書館本。江戸時代の料理本のレシピを再現した本。現代風に多少のアレンジはあり。料理人さんが自分のお店で出してるものも多くて、庶民の料理も料亭料理に格上げされちゃってる感じも。シンプルな煮やっこや卵ふわふわ(ネーミングも可愛い!)あと、作るのは大変そうだけど筍羹が美味しそうだった。そういえば確かに、なまり節って見なくなったなぁと気付かされた。2016/04/03
ハルト
8
江戸のいろいろな料理本から選んだ春夏秋冬の料理+菓子を再現。料理の写真がどれもおいしそうで困ってしまう。シンプルに素材の味を生かしつつ、四季の味を楽しむ感性がすてきだなとしみじみ。当時と今の違いを楽しみながら作ってみるのも一興。手軽でうまそうな玉子と豆腐の料理を作ってみたいなあ。玉子ふわふわがおいしそう…!春:蛤鍋、夏:夏の凝り、秋:華豆腐、冬:軍鶏鍋、菓子:はじき葡萄をいつか食べてみたい。2012/08/03
sawa
7
★★★★☆ 江戸時代の料理本から選んだ春夏秋冬の料理とお菓子。もちろんお金持ってる人達だけだろうけど、こんないい物食べてたのか!とびっくりするものも。全部おいしそうと思えるような料理ではないけれど、見てる分にはとても興味深い。分量とか調理時間とか細かく書いてない所が、逆に工夫の余地があっていいのかも。旬の物をきちんと食べたくなる。(図)2012/09/30