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捕食者なき世界

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163729503
  • NDC分類 481.78
  • Cコード C0098

出版社内容情報

かつて人間は食べられるために存在していた

生態系の頂点に位置した肉食獣が消えた結果、生物多様性は極端に減少した。奇想天外な「再野生化計画」とは。警鐘の科学書。


生物多様性の喪失は、現代の人類が森林を伐採し、動物の棲みかを奪っているのが原因ではない。それは約1万年前、人類の祖先が食物連鎖の頂点に位置する肉食獣を狩り尽くしたときから始まっていた――われわれの常識を覆す大胆な仮説を打ち出した科学ノンフィクションが本書です。秋に名古屋で生物多様性条約の締約国会議(COP10)が開かれることでも注目のテーマに、アメリカにライオンを連れてきて多様性を回復させようという奇想天外な計画の話などを交えて迫ります。

内容説明

生物多様性は、なぜ崩壊しているのか。カンブリアの海から都市化する現代へ、その謎を解く。

目次

プロローグ ハイイログマとの邂逅
第1章 ヒトデの腕
第2章 捕食と進化
第3章 ラッコが守る森
第4章 恐るべきハンター
第5章 生態系のメルトダウン
第6章 バンビの復讐
第7章 小さなモンスターたち
第8章 恐怖によるコントロール
第9章 ピューマが守る谷
第10章 アメリカ再野生化プロジェクト
第11章 孤独な捕食者
エピローグ 人は再び自然を愛せるか

著者等紹介

ソウルゼンバーグ,ウィリアム[ソウルゼンバーグ,ウィリアム][Stolzenburg,William]
『ネイチャー・コンサーバンシー』誌の編集者を15年間務めた後に独立。保全生物学について20年以上にわたり取材を続け、同誌のほか『サイエンス・ニュース』誌、ワシントン・ポスト紙などに記事を書いてきた。『捕食者なき世界』が初めての著書である。野生生物の研究によりニューメキシコ州立大学で修士号を取得。現在、ウェストバージニア州シェパーズタウン在住

野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業

高槻成紀[タカツキセイキ]
東北大学大学院理学研究科修了。東京大学大学院農学生命科学研究科助教授、東京大学総合研究博物館教授を経て、麻布大学獣医学部教授。理学博士。保全生態学者として、国内外で野生動物の保全活動にかかわった経験を数多くもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

66
様々な生物がそれぞれ捕食者となったり、あるいは被食者となったりする生態をわかりやすく説明してくれています。このような生物学であると非常に楽しくなります。これがすべてではないのでしょうがこのような観点からの話があるとその後の生態学を含めた文明論まで発展しそうな感じがします。輪廻という言葉がありますがそのようなことを考えてしまいます。2015/06/01

Koichiro Minematsu

49
動物の生態系に問題があると人間が考えるとき、特に弱肉強食の弱肉側を擁護するとき、強食側のプレデターを排除することで解決できるとする人間の愚かさ。そんな人間が愚かなプレデターだ!2023/08/28

ヨクト

31
イカス本。食物連鎖のピラミッドといえばすぐに思い浮かぶが、本書ではその頂点に君臨する捕食者の重要性について迫っている。要はオオカミ・ピューマ・シャチといった肉食獣のことだが、人にとって危険な動物でもあるため、殺戮され森や海からその姿を消した実例も多い。それが原因で生態系のバランスが崩れ、森や海が破壊されているのだ。人間は現代最大の捕食者であり、太古の食物連鎖の均衡を破壊した張本人である。だが、この現状を救えるのは人間だけということも確かであり、それが人間の使命でもある。2014/01/21

出世八五郎

16
リサイクル本。司書は何をやっているのだ?と思った。・・・前回読んだ奇跡のリンゴと同じく自然は自然のままに任すのが一番というもの。日本にも昔ニホンオオカミがいたと聞く。それを蘇らせるべきかどうか、日本の現状を知りたいと思った。映画にプレデターというのがあるが、必要悪な存在なのかも知れない。兎角、人間が自然とバランスよく調和された世界を望む迄、自然は崩壊し壊れていくのかも知れない。良著。2021/02/03

ばんだねいっぺい

16
 「風が吹けば、桶屋が儲かる。」。「森から頂点捕食者(ライオン・ピューマ・オオカミ)がいなくなれば、やがては、森が荒廃する。」 生態系の秩序を維持しているのは、地域の頂点捕食者でしたよというお話。 人間の手で駆逐したオオカミなどをもう一度戻すという手法が海外で成功していて、日本でもとの声があるそうだが、感覚的に怖いなー。ジョキングしてて、オオカミに追われるのは。2015/10/10

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