出版社内容情報
一目惚れ、横恋慕、同性愛……。神話の名画に隠された神々のドラマは、驚くほど大胆で刺激的。大人気『怖い絵』シリーズ著者最新刊。
内容説明
『怖い絵』の著者が贈る神々と人間の20の物語。
目次
1 ゼウスをめぐる物語(官能のダナエ―レンブラント『ダナエ』/クリムト『ダナエ』;「英雄」誕生―ティントレット『天の川の起源』 ほか)
2 ヴィーナスをめぐる物語(ヴィーナスのあっけらかん―ティントレット『ウルカヌスに見つかったヴィーナスとマルス』;男のピグマリオン幻想―ジェローム『ピグマリオンとガラテア』 ほか)
3 アポロンをめぐる物語(恋人を死なせて―ブロック『ヒュアキントスの死』/ティエポロ『ヒュアキントスの死』;「時の翁」の伴奏で―プッサン『人生の踊り』 ほか)
4 神々をめぐる物語(母の執念―レイトン『ペルセポネの帰還』;勝ち目のない闘い―ベラスケス『織り女たち』 ほか)
著者等紹介
中野京子[ナカノキョウコ]
北海道生まれ。早稲田大学講師。専門はドイツ文学、西洋文化史。歴史や芸術に関する広範な知識と、人間心理への洞察をいかした、新感覚の解説エッセイに支持が集まる。新聞や雑誌に連載を持つほか、テレビの美術番組に出演するなど多方面で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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アキ
88
ギリシャ神話を題材にした24の名画について、中野京子の解説が楽しい。ゼウス、ヴィーナス、アポロン、その他の神々の4章立て。1章ではクリムト「ダナエ」ティントレット「天の川の起源」2章でジェローム「ピグマリオンとガラテア」スプランゲル「ヘルマプロデイストとサルマキス」3章はブロック「ヒュアキントスの死」プッサン「人生の踊り」4章レイトン「ペルセポネの帰還」カラヴァッジォ「ナルキス」など印象的。ギリシャ神話から花を命名されたものは多く、アドニス→アネモネ、ヒュアキントス→ヒアシンス、ナルシス→水仙などある。2021/09/19
コットン
79
ギリシャ神話を題材とする絵画を読み解く本。初めに「神々の系譜」図があり、わかりやすい。神々では好色なゼウスと、商業と旅行の神ヘルメスが面白い。肝心の名画はクリムトの「ダナエ」の指で絶頂感を示す表現や、ゴヤの無重力のような浮遊感、ジャン・ブロックのボーイズ・ラブ的世界など見るべきものが多い!2013/04/26
榊原 香織
76
病的女好きゼウス、まあ、確かに 明快な言い方wが面白くてつい読んじゃう。 ギリシャ神話が分かると買いが理解が深まる。 ルーベンスのヴィーナスが外反母趾。モデルの足指をそのまま描いたらしい2022/12/16
tama
68
図書館本 いつものパターン 大人の面白知識とかなんかノウハウ本みたいな感じもあるけど、面白いからいいか~。表紙の絵は凄いわ。しかし、ホントに顔は可愛いけどドッテリ体形が多いなー。2014/01/04
Y
65
ヘルメスが私が思っていたよりも美青年に描かれていて驚き。そしてどの絵画においても安定してキューピッドはかわいくないのが気になった。同じエピソードでも画家の解釈によって全然違った表情を見せるのがおもしろい。ギリシャ神話はいろんな文学の原型になっているが、ギリシャ神話を知ることによって楽しさが増大する作品がこの世に沢山増えるということが、ギリシャ神話を学ぶ喜びの一つにあげられるだろう。2014/05/20