出版社内容情報
偉大な父からその素質を受け継ぎ、それ以上のものを築き、さらに高みを目指す稀代のアスリートの軌跡を室伏広治、本人が語る。
内容説明
「超えた」と思える瞬間が人間をつくる―。私が超えてきたものを今こそ語ろう。ハンマーに魅せられた人生のすべて。
目次
第1章 「成熟」―世界陸上テグ2011
第2章 「オリンピック」―シドニー、アテネ、北京の軌跡
第3章 「運命」―ドーピングとの戦い
第4章 「継承・発展」―父・重信を超えるために
第5章 「流儀」―広治スタイル
第6章 「証言」―室伏広治を語る
著者等紹介
室伏広治[ムロフシコウジ]
1974年、静岡県沼津市生まれ。父である重信氏の影響で、幼少の頃よりハンマー投の魅力を知る。千葉県成田高校に入学してから本格的にハンマー投を始め、その後中京大学に進学。1997年にミズノ入社。日本選手権17連覇中で国内に敵はいない。自己最高記録は、2003年6月、プラハ国際で出した84m86。シドニーオリンピック、アテネオリンピック、北京オリンピックに出場。04年のアテネでは金メダルを獲得した。同年紫綬褒章受賞。11年、韓国・テグで開催された世界選手権で金メダル獲得。07年に博士号を取得し、現在、中京大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっちゃん
14
室伏広治。現代における強さ、男らしさの象徴ともいえる最強の漢である。兄貴がいかに向上心が強く真面目であるかよく分かる。1人だけ強すぎてライバルはもちろん、友達、彼女の影が全く見えないのが印象的。孤独な部分もますます兄貴を魅力的にする。2022/06/05
まさや
11
手の小指だけ曲げた時に薬指も曲がってしまうことを癒着というそうです。癒着はトレーニングでとれる。癒着をとると身体感覚が鋭敏になり、身体を自由に動かせるようになるそうです。成瀬雅春氏も指の話をしていたが、身体感覚のことだったのか。2020/10/05
けんとまん1007
8
貪欲さと素直さ、これがあるからこそ、今の姿があるのだと思う。そして、出会い。ご本人だけでなく、それを取巻く周囲の人たちの力・思い。いろんなものがあってこそなんだなと思う。2013/09/05
しんしん
6
彼はよく「哲人」と表現されるが、肉体の内面から精神に至るまで、道を究める修行者としての面が強く現れている。 柔軟にトレーニング方を工夫して取り入れながら、目線は遥か先を見つめて揺るぎない。 自分もこうあろう。2016/06/11
Hiro
5
(図書館借)ここ最近、一世を風靡したスポーツ選手の自伝の本が読みたくて探していたら偶然見つけた1冊がこの本。室伏広治といえば、ハンマー投げのみにおけるスペシャリストというイメージがあった。しかし読み終えてから思ったことは、ハンマー投げそのものに対しだけでなく体の動きや細部に至る点にまでストイックかつ追求の手を緩めない探究心の持ち主といった人格が見えてきた事。幅広い分野に教えを求める謙譲の姿勢、ハンマー投げだけに留まることなくスポーツ界全体の事を想い活動する姿は近き将来における日本のスポーツ界の顔になり得る2017/06/19