内容説明
大島本人からの「読んでみたい」という要請に応えて書かれた論考を含む、戦後最大の映画作家と交響する大島渚論の決定版。
目次
大島渚とはだれか
初期の大島渚と吉田喜重
過激な平等主義―『太陽の墓場』
映画を貫通する知覚神経―『日本の夜と霧』
「代理」にまつわる思考はそのまま「代理」されてゆく―『飼育』
エイゼンシュタインの導入―『天草四郎時貞』
対象の刻々を取り逃がし残像を追わされる―『白昼の通り魔』
大島映画の呼吸、白土劇画の線―『忍者武芸帳』
創造社の六八年―『日本春歌考』から『新宿泥棒日記』まで
女自身が風景となる哀しみ―『東京〓(せん)争戦後秘話』
「順番」からの悲哀にみちた解放『儀式』
表面の充満による欠性『愛のコリーダ』
還相が生相を見つめる『愛の亡霊』
「解けない暗喩」の幻惑『戦場のメリークリスマス』
対幻想という他者『マックス、モン・アムール』
母の写真、自己への懲罰『KYOTO、MY MOTHER’S PLACE』
中間化する大島渚『御法度』
大島渚VS.ゴダール―代位をめぐる思考
著者等紹介
阿部嘉昭[アベカショウ]
1958年、東京生まれ。評論家、詩作者。現在、北海道大学大学院文学研究科准教授(映画/サブカルチャー研究、詩歌論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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