内容説明
教育学、発達心理学、学校建築、地方財政…「危うい実験」を多角分析。
目次
第1部 小中一貫校問題とは何か(なぜこの問題が出てきたのか;小中一貫教育・一貫校に教育学的根拠はあるのか―「地域主権」下で進む危うい学校改変の危険性;発達論から見た小中一貫教育;「小中一貫教育」と子どもの生活―品川の生活指導と市民科教育を中心に;学校建築から小中一貫校問題を考える;財政分析で透視する小中一貫問題)
第2部 各地の小中一貫校の実態と学校統廃合(京都市東山区の小中一貫校と学校統廃合;学校・地域の歴史の中で統廃合問題を考える―京都における小中一貫校作りの「前史」;東京・品川における小中一貫教育・一貫校の現実と問題点;大阪府門真市での小中一貫教育、学校統廃合、学校統制;一体型校舎建築に反対する三条市の運動;統廃合計画を廃案に追い込んだ文京区民の運動)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lanikai
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本書は小中一貫教育への反対論者が反対のために書いているので、基本的に評価する視点はない。批判内容は1.小中一貫教育が児童生徒にとって有益なものか定量的な検証のないまま進められている。2.体の良い統廃合であり、狭い校舎に子供を詰め込んでいる。といったところ。他の批判本とも傾向は同じだ。唯一、第三章の「発達論から見た小中一貫教育」は面白かった。小学校において自尊心を高めたり、自分の将来を肯定的にとらえる教育が、中学校時代での空虚感を減らすなどの好影響があるとの調査結果。それは一貫校でも出来うるのではと感じた。2012/12/26
Riopapa
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小中一貫校はいいと思って娘を私立に入れたが、いろいろと問題もあるらしい。確かに、4年生が一番下の集団のまとめ役になったり、6年生の卒業式がなかったり、勉強の進度がやたらに速かったり、どうかなと思うことも多々あるが、私立ということもあり、この本に出てくるような問題点はない。でも、おそらく先進校として、いろいろな地方自治体の参考にされているはず。いいところもあるけど、公立になるとその点が消されてしまうかな。2012/08/29