目次
第1部 人類学の確立(モーガン『古代社会』;フレイザー『初版 金枝篇』;マリノフスキー『西太平洋の遠洋航海者』;モース『贈与論』;ベネディクト『文化の型』;ミード『サモアの思春期』)
第2部 人類学理論の深化(ファース『価値と組織化』;レヴィ=ストロース『野生の思考』;ダグラス『汚穢と禁忌』;サーリンズ『石器時代の経済学』;ベイトソン『精神の生態学』;ブルデュ『実践感覚』;ゴドリエ『観念と物質』)
第3部 民族誌の名作(エヴァンズ=プリチャード『アザンデ人の世界』;リーチ『高地ビルマの政治体系』;ルイス『貧困の文化』;ターンブル『ブリンジ・ヌガク』;ギアツ『ヌガラ』;スミス,ウィスウェル『須恵村の女たち』)
第4部 批判と実験の時代(クラパンザーノ『精霊と結婚した男』;フェルド『鳥になった少年』 ;マーカス,フィッシャー『文化批判としての人類学』;クリフォード,マーカス編『文化を書く』;ロサルド『文化と真実』)
第5部 新世紀の人類学へ(ラトゥール『虚構の近代』;レイヴ,ウェンガー『状況に埋め込まれた学習』;ラビノ『PCRの時代』;アパデュライ『さまよえる近代』;アサド『世俗の形成』;グレーバー『価値の人類学理論に向けて』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
65
この学問の名著とまだ評価の定まっていない著作の解説と要約。正直、初耳の学者や著作が多かった。個人的に、エスノグラフィ(地誌学)、マリノフスキーが南太平洋で予備知識無し、言葉の習得から現地人との交流を始めるという、画期的な現地取材の記録が興味深い。80年代には現代思想の影響か文化人類学自体への根本的な問いがでてくる。ざっと読んだだけであるが、初学者には必読の本だろう。宮台真司が言うには、彼の師匠小室直樹によると、文化人類学・民俗学は一ヶ月から三ヶ月でマスターできると断言するが、それもわからなくはない。良書。2017/07/02
花男
12
ざっと購読。読みたい本が増えた。それにしても自分がなぜ人類学に興味があるのか説明ができない。でも非常に興味がある。2022/03/07
34
11
『須恵村の女たち』はいつか読んでみたい。2017/10/08
花梨
3
初学者にはとても難しく、学問ってこういうものだったよなと思い出させてくれた。読了に時間がかかり、ほとんど理解出来ていない。どの本も難解なのだろう。「人はもっとも重要で意味があると思うものにそのエネルギーを投入する」(p224) ちなみに松村先生のポッドキャストは大変面白かった。2022/12/13
赤坂サラザン
2
多くの人類学者が描いてきた夢の軌跡を辿りたい、と筆者が選抜いた30冊の名著をまとめた作品。「熱」をもつ彼らの研究=闘争の歴史や、人類学のもつ可能性を知ってもらいたいと執筆されたとのことで、各作品をかなりコンパクトに集約して紹介しているにもかかわらず、その内容は詳細で分かりやすく、入門書としても臆せず手に取ることが出来ると思われます。私自身にも新しい出会いと発見が多数あり、理解も深まりました。2014/03/23