内容説明
人と人との出会いからセラピスト自身が得てきたものは何か。クライエントや指導者とのあいだに築く関係を新たな視座から問いなおし、今後、直面する課題への応用力を養う。携帯電話やインターネットが普及した、新しいメディア社会におけるコミュニケーションと心理臨床のあり方を考える重要なプロセスである。
目次
第1部 物語と心理臨床の実際との関わり(阿闍世の物語とケース理解;オイディプスと阿闍世の物語の比較から―自己の確立と継承性について;母親と子どもの物語)
第2部 クライエントと指導者との関わりから学んだこと(子どもとのプレイセラピーで学んだこと;青年期の対人恐怖のクライエントとの関わりから;逆転移の自覚について―心理療法の経験に即して ほか)
第3部 心理臨床におけるこれからの関わり方(電話相談の体験から考える―いのちの電話の経験より;電話相談における関係について;これからの心理支援のあり方について)
著者等紹介
永井撤[ナガイトオル]
1955年群馬県に生まれ、1978年横浜国立大学教育学部卒業、84年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京都立大学助手、助教授、教授を経て、現在首都大学東京教授。文学博士、臨床心理士。1978年より江戸川区教育研究所、山王教育研究所で臨床に従事、1984年、当時の都立大学心理相談室開設に従事、現在首都大学心理相談室長。主に子どものプレイセラピーから思春期・青年期の心理相談、親面接を実践、現在は個人療法や学校での心理臨床を実践しつつ、スーパーヴィジョンをはじめとする心理臨床の専門家の養成に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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