出版社内容情報
「他者」「女」「行為」「症状」という4つの問題を取り上げ、精神分析の新たな出口に到る分析的経験を描き出そうとした意欲作。
著者自らの精神分析の実践経験を基に「他者」「女」「行為」「症状」という4つの問題を取り上げ、追究した論考。『鶴女房』『眠れる美女』『ハムレット』などの文学作品を読み解きつつ、ラカンら精神分析のほか、哲学・文化人類学・言語学など幅広い文献を辿り、考察を深める。主体の新たなあり方を提示するなど精神分析の出口の可能性を模索、またそこへ到達するまでに通過する「分析的経験」を描き出そうとした気鋭による意欲作。
【著者紹介】
春木奈美子(はるき・なみこ)2013年、京都大学大学院教育学研究科博士(教育学) 取得。2009年よりパリ第7大学精神分析学研究科で学び、2013年帰国。現在、日本学術振興会特別研究員PD。臨床心理士。
内容説明
主体の限界点に位置するこれらの諸問題、そこに潜む新たな可能性を精神分析家ジャック・ラカンの思想によって浮かびあがらせる。川端、デュラスらの文学作品や臨床事例を通した考察の道行きは、そのまま読者を精神分析的経験へと誘う。
目次
第1章 歓待と他者(無条件の歓待と条件つきの歓待;「鶴女房」再考;川端康成の『眠れる美女』における歓待)
第2章 女たちの余白に(デュラスの描くふたりの女;ラカンの性別の論理;存在しない「女」の審級:メデアとマダム・ジッド;燃やされた手紙、アンドレ・ジッドの同性愛)
第3章 行動の条件としての行為(ハムレットの劇中劇;行動化と行為への移行:フロイトの「女性同性愛の一事例」再考;ハムレット、行為へ;ドン・ジュアンの「石の宴」、行為する言語)
第4章 固有名と症状(固有名論争に寄せて;名前をめぐる困難:いくつかの事例から;名指しとしての症状;固有名とシミュラクル)
著者等紹介
春木奈美子[ハルキナミコ]
2013年、京都大学大学院教育学研究科博士(教育学)取得。2009年よりパリ第7大学精神分析学研究科で学び、2013年帰国。現在、日本学術振興会特別研究員PD。臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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