内容説明
今こそ「希望」の足場づくりを。「若者を見殺しにする国」のもとで、苦悩しつつ懸命に生きる若者たち。その深刻化する若者のトランジッション(学校から仕事への移行)とアイデンティティの危機の根源に分け入りながら、新たな時代と「若者に希望のある社会」への転換の道すじを提示した待望の書き下ろし。
目次
第1章 「若者の現在」への視点―イノセンスとノン・モラル(若者のノン・モラル?;若者のイノセンス ほか)
第2章 若者の「生きづらさ」/親密性の構造転換―「動物化」ではなく(親密圏の孤独;親密性の構造転換 ほか)
第3章 幸福の現実主義―若者のコンサマトリー化(「多幸な」若者たち―「今、とても幸せ」;若者のコンサマトリー化―「心の時代」を生き抜く ほか)
第4章 若者のトランジッション―ニート言説を超えて(「ニート」という言説;学校から仕事への移行―若者のトランジッションという課題 ほか)
第5章 社会学とナラティヴ・プラクティス―「希望」の足場づくり(希望のない社会?;ナラティヴ・プラクティス―「語り直し」の政治学 ほか)
著者等紹介
豊泉周治[トヨイズミシュウジ]
1955年生まれ。一橋大学社会学部卒業、同大学院博士課程単位取得。富山大学教養学部助教授を経て、群馬大学教育学部教授。社会学・社会哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じゅうがつ
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若者の幸福感は、若者のコンサマトリー化によるものだとの指摘は、古市さんの『絶望の国の幸福な若者たち』と重なります。本書の方が理論的で、読みごたえがあると思います。2016/01/07
八子
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とても共感がある本だ。読んだ時、ずっと「分かる分かる」「あるある」と思っていた(笑)データーを基づき、ハーバーマスやアーレントの理論を用い、面白さと理論性を重んじる素晴らしい作品だ。特に若者の「みんなぼっち」と「ニート」に関する観点は目新しいと感じられ、物事の見方と考え方はかなり参考になる。2013/01/09
まりこ
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若者の心の居場所をめぐる問い。ハーバーマス、アーレント、見田の「親密性」、幸せ(コンサマトリーな生き方)、トランジッション、ナラティブ・プラクティス2011/04/07
昌也
0
再読2022/03/22