内容説明
前世紀の大発見にして、今やすっかりお馴染み、わかったつもりになっているＤＮＡ。でも、親と子が似るのはなぜか、ＤＮＡ鑑定は何を特定できるのか、明確に答えられるだろうか。本書では、身近で科学的な疑問に答えながら、卓抜なアナロジーを駆使してＤＮＡワールドを解説。複雑にしてダイナミックなＤＮＡの振る舞いをつぶさに見つめ、さらにその起源にまで迫る壮大にしてエンターテインメントな生物学入門。
目次
第１章 ＤＮＡとは何か―どうして親と子は似るのか（遺伝子・ＤＮＡ・タンパク質；ねじれたＤＮＡと膨潤した核）
第２章 複製するＤＮＡ―それはどのように親から子へと受け継がれるのか
第３章 格納されたＤＮＡ―ＤＮＡは核の中で一体何をしているのか
第４章 人間社会とＤＮＡ―それは私たちとどう関わっているのか
第５章 ＤＮＡ・今昔物語―それはどこからきたのか
著者等紹介
武村政春［タケムラマサハル］
１９６９年三重県生まれ。名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。名古屋大学助手、三重大学助手を経て、現在、東京理科大学講師（理学部第一部教養学科）。分子細胞生物学研究、特にＤＮＡ複製システムと複製酵素の作用機序を専門とする一方、生物学教育ならびに科学啓蒙の新しい方法を研究・実践。また幅広い趣味の中に妖怪研究があり、生物学とそれを融合させた著書もある。近年、啓蒙科学の新鋭として注目されている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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月讀命
60
『文化系のためのDNA入門』というタイトルなので、文化系の私にでも少しは理解出来るのではないかと期待して読んでみたが、二重螺旋が複雑にコンガラガルかの様な内容で、この本も理数系の領域からは抜け出していないと思えるほど難解であり、読破するには骨が折れた。・・・・と、言うか、自分自身には理数系のDNAが極めて脆弱である事が判明し、これは両親からの遺伝によるものだから仕方がないと結論づけた。・・・・・解らなくなったら、高校の生物の教科書を見ながら読み進めたが、読めば読むほどDNAの不思議さを増すばかりであった。2012/12/15
あむぴの
26
「文科系」とかついていると、思わず手に取ってしまう。難しすぎる理系部分の説明は省いていた。それでも、若干難しい。この本が書かれてから、10年たっているので、その間に、DNAとかヒトゲノムとかで新発見があったのか、調べてみようかと。2008年3月、ちくま新書。2018/05/05
トムトム
14
一通り生命科学やDNAの本を読んだうえで、いまいち分からなかったモヤっとしたところがスッキリする本。基礎知識がある程度あると、比喩や擬人化がしっくりくる。かなり生命科学のことが分かるようになった。擬人化するのは科学的じゃないとか得意げに言う人がいるけど、読み手が研究者じゃなく一般人なんだから分かりやすいのが一番。欧米の科学では長年、人間以外の生物は感情がない、考えない、反射・本能で動いているだけだと思われていた。擬人化が科学的じゃないという人は、その古い考えをいまだに持つエゴイスト。2020/01/06
powder snow
13
DNAは細胞の核の中に綺麗に折りたたまれて収納されている。細胞が結合する際に、染色体のXの腕（？）がトレードされていたりDNAがRNAに複製されるときに脚色していたり、それをわざとやっているのかもと思うと、対病原菌のことや生物の進化のことに思いを馳せ、ちょっと感動する。DNAは本来タンパク質の設計図であるのに、能力の先天的なもの「象徴的」な意味で用いられている。理系・文系に基準などないし、それは人の思い込み。自分を文系だと思っている人たちに、科学技術を身近に感じてほしい。そんな願いが込められているようです2015/02/07
Phong
5
面白いねんけど。ＤＮＡの話しながらも頻繁に、関連のある文科系な話題に話が移ったりするねんけどそこで出てくる話題がなんか幼稚というか、この人文科系を馬鹿やと思ってんちゃうかと思った2015/05/24
