文庫クセジュ<br> マニ教

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文庫クセジュ
マニ教

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  • サイズ 新書判/ページ数 179,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560058480
  • NDC分類 168.9
  • Cコード C1214

出版社内容情報

イスラム世界に断食月をもたらした、二元論的宗教――三世紀のペルシアで生まれたマニ教は、厳粛な倫理と儀礼により律されていた。開祖マニが唱道した教えを、聖典をもとに解説する。 【編集者よりひとこと】 “文明の衝突”が叫ばれる時代において、多くのキリスト教徒にとっていまだ「異端」の代名詞的存在と目されているマニ教を知ることは、大いに意義あることと思われます。本書では、地中海世界からシルクロードの果てまで、マニ教伝播の足跡を告げる古代史料を、博覧強記で鳴るコレージュ・ド・フランス教授が快刀乱麻に整理し、マニ教が包まれてきた謎のヴェールを次々はがしてくれます。ゾロアスター教とキリスト教と仏教が秘教的に融合した世界観を読み解く、価値ある1冊です。

内容説明

三世紀のペルシアで生まれたマニ教は、厳粛な倫理と儀礼により律されていた。イスラム世界にラマダン(断食月)をもたらしたのもこの宗教である。本書は、開祖であるマニが唱道した教えを、彼が残した聖典を検証しつつ解説してゆく。ゾロアスター教とキリスト教と仏教とが秘教的に融合した世界観に迫る。

目次

第1章 マニ(マニの誕生の場所と時;マニの両親 ほか)
第2章 典籍(マニが読んでいた書籍;マニの著作 ほか)
第3章 共同体(位階制;修道士の倫理規範 ほか)
第4章 万神(物語;マニ教の神々一覧 ほか)

著者等紹介

大貫隆[オオヌキタカシ]
1945年生。東京大学大学院総合文化研究科教授。新約聖書学・古代キリスト教文学専攻

中野千恵美[ナカノチエミ]
1957年生。「聖典宗教研究センター」(CNRS、UMR8584)所属
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

富士さん

3
再読。クセジュは何でこんなに分かりづらいんでしょうか。フランス語のせいかと思ったこともありましたが、解けない謎です。しかし、本書はマニ教の概要を理解するのにはそれなりにいい本でした。キリスト教を基礎にしながらも広く世界中から預言者を採用し、その総合にマニを位置づける普遍志向の強い3つ目の一神教、そんなイメージです。本書が預言者としてのブッダの存在や、二元論や潔斎などの東側の要素をかなり無視していると感じるところも、訳者解説がそれを補って学説史に目配せできるようになっているので、うまく補完されています。2017/11/30

onisjim

2
クセジュらしく、少しばかり古くて短いが読みごたえがある一冊だ。ただ、まったく予備知識を持たない読者がいきなり本書を手に取るのはちょっと難しいのではないかという印象がある。青木健あたりである程度概要をつかんでからの方がよさそうだ。2015/08/31

ととろ

1
消滅した宗教のためイマイチ教義や活動がわかりにくいマニ教。一通り読んだ感じでは、ユダヤ教、キリスト教グノーシス主義、ゾロアスター教、仏教の影響を受け、イスラームのラマダンやクルアーンの在り方に影響を与えたのがわかる。マニ教が無ければイスラームが生まれなかったのは確実だ。創世物語がどう見てもユダヤ教の旧約聖書とゾロアスター教の善悪二元論のハイブリッドで笑ってしまった。2010/09/29

chloe

0
どこそこにあるなんとかという資料にはこういうことに関して書かれてある、といった記録的記述が多く、マニ教が世界各地においてどういう位置にあったのか、他宗教とどういう関わり方をしてきたのかという方面に興味のあった私にはちょっと不向きの本でした。残念。でも、断片資料しか残らないものに対しては研究者としてこういう姿勢を取らざるを得ないのかも知れません。安易な断定や思い込みでの脚色を廃した結果かもしれず、そう言う点では良心的なのかもです。2012/05/04

sipsee14

0
教義のつくりあげ方や布教のしかたの戦略性は起業家っぽいし、権力者に思想を採用されようとアプローチするやり方は春秋戦国時代の諸子百家的だと感じた。それが最終的にササン朝内で勢力争いで劣勢となり『シャープーラカーン』を経典から外すところまで含めて味わい深い。教義が現世・物質を悪とする二元論で抽象的(創世神話がすごい)なのに上記のような現実的な事情が出てるのも印象的。2020/10/30

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