• ポイントキャンペーン

印象派はこうして世界を征服した

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 274,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560080016
  • NDC分類 723.05
  • Cコード C0071

内容説明

なぜモネやルノワールは世界中で好まれるのか。なぜ富裕層は印象派絵画を所有するのか。競売人が明かす美術史の舞台裏。

目次

1 近づいて見れば、支離滅裂なだけ―印象主義の衝撃的な新しさ
2 鍵盤の上を歩く猫のメロディー―フランスにおける印象主義の受容
3 新しい世界のための新しい美術―アメリカと印象主義
4 文化的に正しい行為として―ドイツにおける印象主義の受容
5 セント・ポール大聖堂の異教徒たち―印象主義に対する英国の反応
6 奔走する競売人たち―印象派絵画、一九四五‐一九七〇年
7 価格の向こう側―印象派絵画、一九七〇‐一九九〇年
8 永遠性の象徴―一九九〇年以降の印象派絵画

著者等紹介

フック,フィリップ[フック,フィリップ][Hook,Philip]
オークション会社サザビーズの印象派&近代美術部門のシニア・ディレクター。30年にわたり美術界で活動し、その間、クリスティーズのディレクターを務めたほか、画商として国際的に活躍し、またテレビ番組にレギュラーで出演。ロンドン在住

中山ゆかり[ナカヤマユカリ]
翻訳家。慶應義塾大学法学部卒業。英国イースト・アングリア大学大学院にて美術・建築史修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

№9

27
当初の激しい拒否反応を巻き起こしながらも、印象派がどのようにマーケットに受け入れられていったか、高尚な美術史や絵画論とは別の視点から描かれていて面白かった。また周辺国への波及の温度差もそれぞれの国柄・歴史的背景によって様々であり興味深い。イギリスでの浸透が一番遅く保守層からの拒否反応が強かったことは、ビートルズの武道館公演が保守層の反発を招いていたこととダブり、なんだイギリス人たちも100年前は似たようなもんだっんだとチョット失笑。後半は日本のバブル期の狂乱にも触れてある。美術の価値とは?考えさせられた。2017/01/19

Kazehikanai

18
抵抗を受け、戦争に翻弄され、オークションで時代をつくり、財力や名声の象徴となった印象派という現象とその功罪の変遷がわかる。印象派が今日までに揺さぶってきた価値観は多様だ。観賞するだけの立場でも、知名度や金額、世評に揺さぶられることがしばしば。たしかにモネやルノアールの絵には惹かれるが、日本では知名度が低いブーダンやロイスダールも好きだし、そういう発見は楽しい。でも、後者は展覧会の主役にはならない。背景を理解つつ、感性で楽しむことを大切にしたいと思った。いずれにしても、印象派はもはやただの芸術ではない。2015/10/18

umeko

16
芸術を純粋に芸術として楽しむ術しか知らなかったが、その裏にはこれほどまでに生々しいやりとりがあったとは驚き。一面でしかないが、こうして価値を認める人々がいたので、今日多くの印象派の作品を楽しむことができるのかと思うと複雑な気分になる。2014/04/23

けいご

13
印象派絵画の価値が認められ徐々に複雑に世界に広まって行く流れが非常に興味深い一冊でした★印象派の人達も凄かったんだろうけど、今こうして安心して印象派絵画を見ることが出来る背景にはオークショニア達の努力があってこそなのかもしれないね〜。トロフィーや投資としてのアートもいいんだろうけど、自分は美術館で時間を気にせずに眺めていられたらそれだけで嬉しいな★アートは世界の全ての人類にとってのトロフィーだからね★2020/11/11

masa

10
ルノアールやモネの絵を所有するという事は、美的な感性と巨大な経済力を同時に示し、その二つを強く結びつけるものである。また、奥さんの顔立ちを見てからでないと絵画を売らないという逸話も面白い。2013/11/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/493331
  • ご注意事項