出版社内容情報
新進気鋭の研究者たちによるレビュー論文を集成した『組織論レビューI・II』(2013年刊)は、組織論における最新かつ重要なトピックを網羅し、大変反響を呼び、両巻とも重版がかかった。レビュー論文は、既存の研究を体系的に収集・検討し、それ自体で学術的貢献を生み出している論文である。特に本書の各レビュー論文にはそれぞれ、当該分野で実績ある研究者によるコメントも合わせて収載したため、その掛け合いも興味深い仕上がりとなっていた。
両巻の刊行から9年経ち、研究の大きな進展、目まぐるしい経営環境の変化を受け、このたび、同様の形式で『III』と『IV』が企画、刊行の運びとなった。
『III』は、組織の中の個人、個人と組織との関係性、そして個人の集合としての集団に着目。日進月歩で進化するミクロレベルの組織論から、7つの重要トピックを抽出し、さらに第8章として文献レビューの考え方についての論考も収載している。
研究者はもちろん実務家にも有用な示唆を含み、組織論を掘り下げ考えていく上で欠かせないものとなろう。個人のマネジメントに悩む人事パーソンやマネジャーにもぜひすすめたい。
【目次】
1. 組織行動研究における組織 砂口文兵・貴島耕平
コメント 高尾義明
2. 個人─組織適合研究の系譜と新展開 山崎京子
コメント 関口倫紀
3. 組織の外に広がる社会関係資本 横田一貴
コメント 西村孝史
4. ジェンダーと組織研究 中村暁子・清宮 徹
5. 組織における権力者の心理 佐々木秀網
コメント 山倉健嗣
6. 逸脱と革新 高田直樹
コメント 武石 彰
7. チーム認知とチームの創造性 大沼沙樹・秋保亮太・村瀬俊朗
コメント 山口裕幸
8. 過去の展望から未来の問いをどのように導き出すか 服部泰宏
内容説明
組織の中の個人、個人と組織との関係性、そして個人の集合としての集団。日進月歩で進化するミクロレベルの組織論から、7つの重要トピックを抽出し、さらに文献レビューの考え方についての論考も掲載。組織と個人のマネジメントへの多角的な示唆に富む一冊。
目次
1 組織行動研究における組織
2 個人―組織適合研究の系譜と新展開
3 組織の外に広がる社会関係資本―成員の退出から組織が得るもの
4 ジェンダーと組織研究―フェミニスト組織理論によるフレーム化
5 組織における権力者の心理―社会的勢力感をめぐる知見の整理と組織研究への示唆
6 逸脱と革新―イノベーション過程における逸脱行動の存立と行方
7 チーム認知とチームの創造性―トランザクティブ・メモリー・システムと共有メンタルモデルの整理
8 過去の展望から未来の問いをどのように導き出すか