内容説明
本書は、第1部では20世紀前半にアメリカで生まれた行動主義・新行動主義から大きく成長した伝統的学習心理学について述べ、後半の第2部では1960年の後半以後大きく変化した新しい学習心理学について解説する。生得的傾向が学習に対して加える制約、刺激の情報価を重視した古典的条件づけにおける随伴性の考え、さらにそれから発展したレスコーラ・ワグナー理論などについてわかりやすく解説している。道具的条件づけについても、従来の強化理論と矛盾する事実やプリマックの理論など、新しい展開について説明している。「知・情・意」のバランスのとれた伝統的学習心理学を原点にして、それから展開した学習心理学の動的な流れを、興味深いいくつかのエピソードや実験結果などを「コラム」としてまじえながら、わかりやすく解説したコンパクトな書物である。心理学やその関連分野・応用分野を学ぶ大学の学生にとって欠かすことのできない心理学の基礎的テキストの1冊である。
目次
第1部 20世紀前半の学習心理学(学習心理学の基礎知識;学習心理学の誕生―パブロフとソーンダイク;行動主義と学習理論―ワトソンとトールマンとハル;媒介理論―スペンスとマウラー;オペラント条件づけ―スキナー)
第2部 20世紀後半の学習心理学(古典的条件づけの展開(I)生得的傾向重視の考え
古典的条件づけの展開(II)情報重視の考え
古典的条件づけの展開(III)レスコーラ・ワグナー理論
道具的条件づけの展開)