出版社内容情報
なぜ日本人は1000年もの間「本」に親しんできたのか。そしてなぜ、そこから離れつつあるのか。日本の抱える課題に鋭く切り込む!
内容説明
読書風景はいま、大きく変わりつつある。活字離れが進むかたわら、読書活動は広がりを見せ、それを火種にして学校図書館は輝きはじめた。読書のおもしろさをどう伝えるのか。わたしたちはなぜ本を読むのか。紙の本と電子書籍の違い、教育現場のデジタル化の是非など、「読書」をテーマに現代の課題に鋭く切りこみつつ、日本と日本人の進む道を示す。
目次
第1章 変わりゆく読書風景
第2章 教育現場のデジタル化はなにをもたらすか
第3章 あのとき読んでおいてよかったと思える本があるか
第4章 子どもと親にとっての読書の価値
第5章 「平成」の日本はなにを失ったのか
第6章 学校図書館がよみがえる日
第7章 読書は日本の希望になるか
著者等紹介
肥田美代子[ヒダミヨコ]
1941年大阪市生まれ。童話作家。参議院議員、衆議院議員を経て、公益財団法人文字・活字文化推進機構理事長、一般財団法人出版文化産業振興財団理事長、大阪樟蔭女子大学客員教授。国際子ども図書館の設立、子どもゆめ基金の創設、子どもの読書活動推進法および文字・活字文化振興法の制定、子ども読書年に関する国会決議、国民読書年に関する国会決議の採択、学校司書の法制化、著作権法改正等に尽力(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
26
三木清『読書と人生』:読書は心に落着きを与える(67頁)。1942年のこと。読書の習慣をつけること(69頁)。 会読:ここまでの文章は誰と籤で決め、自分のところを順次講じる。立派なら白△。成績は7~8級。諭吉先生『福翁自伝』 では適塾での読書会:対等な批評、切磋琢磨(109頁)。世界に誇れる日本の読書の歴史:平安時代から読書を楽しむ 暮らし(170頁~)。大事にしたい伝統文化としての読書活動。 2015/04/01
ワダマコト
24
僕が最近思うのは、ネットにふれている方が実は本を読むきっかけを生みやすいんじゃないかっていうこと。読書っていうのは、自発的に始めたっていう人は少数で、ほとんどが誰かの推薦する本を読んだら面白かったとか、周りが読んでいるからとかっていう外部的な要因で経験した人のほうが多いと思うんですよね。でも、今は若い人で本を読んでいる人は少ないらしいし(本当か?)、親世代にも読書家はそんなに多くない。じゃあ、なにをきっかけに本を読むの?って言われたら、僕はネットって答えます。たまたま見ているブログの人が紹介していたとか2014/12/27
hamao625
21
子どもと読書についての記述が参考になった。読み書きの基礎は、文字、活字に囲まれた暮らしぶりにある。読み語り体験は宝もの。本を読む癖をつけさせようとしたら、親が読書を楽しみ、分かち合いたいという気分の高揚が大事。親子ぐるみの読書体験が、人格形成に影響を与える。親や好意を持った人の朗読を聞いてすごした時間の長さは、数年後の識字レベルを予測する良い判断材料に。映像まかせの育児が続くと、受け身の状態に置かれる。自ら他者や物事に積極的に働きかける力を失ってしまう。不読のせいでの生きる力や言語力の低下を防ぎたい。2015/04/04
わむう
18
図書館の仕事で行き詰ったときは、この本を読み返して自分を奮起させています。2019/04/25
あいくん
13
☆☆☆☆肥田美代子さんは童話作家ですが、参議院議員、衆議院議員を務めていました。子どもの読書活動推進法、子ども読書年に関する国会決議、学校司書の法制化に尽力しました。電子書籍の普及について、肥田さんは批判的です。紙の本は数千年の歳月を経た人類の叡知の結晶だといいます。電子黒板、デジタル教科書について肥田さんは批判的です。生徒が「わかった気になる」のではなくて、「本当に理解させる」ことが大切だといいます。黒板をノートに写す方が頭に入るという考え方もあります。2014年の調査で大学生の4割が読書時間0でした。2018/06/18