目次
「小説」というジャンル
文学と「国家」
物語と小説のはざまで
女性による文学表現
批評の近代
“美術”と文学
「明治」から「大正」へ
文壇と私小説
近代詩の苦悩
大正戯曲時代と小説表現
「大衆」と文学
第一次大戦後の文学思潮
文学と政治
批評の成熟
近代小説のゆくえ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ととろ
4
独学用に。本講義は2014年度第2学期を以て閉講になるとのことで残念です。本講義の内容は表題の通りであるが、アプローチの仕方が全体を通しての通史でなく、回ごとに「文学と○○」の○○の内容が変わるテーマ史である。国家、女性、美術、大衆など様々なテーマで近代日本の文学史の流れを論じる。逍遥と鷗外の「小説というジャンル」を巡る没理想論争に近代の始まりを見出し、「私」を巡って「道化」の太宰と「自我」の志賀、対極の語り口で小説を綴る2人に近代の終わりを見出す。近代が如何に混沌の時代であったかを思わずにはいられない。2015/02/20
take
2
放送大学の科目履修生だった時以来の再読。横光利一に関して「人間中心主義に対し、些細で偶発的な事象が人間の運命を左右していくのだという唯物的な発想」という説明があって、この視点があると、昔あまり面白いとは思えなかった『機械』が面白く読めるような気がした。また、与謝野晶子の『君死にたまふことなかれ』を「素朴な親の心情」と「近代国家への痛烈な批判」の「高い次元で融合」した作品と評価しているのも、なるほどと思わされた。2017/07/12
RUI
1
勉強のため。個人的に耽美派が好き。2014/01/28
あなた
1
安藤宏さんは学界の保守革新の中庸をとるのが本当にうまい。新しい知見をとりいれながらもその磁場にひきずられない。野山嘉正さんがいなくなったことでさらに中和化。野山さんはいい声しておった 2010/05/14
オランジーナ＠
0
明治時代からの日本の近代小説史。2015/02/02
