出版社内容情報
「時」はどう刻まれるようになったか?太陽・地球の関係や、ローマ時代からの社会・宗教との関係など、科学・歴史の両面から解説。
内容説明
1年は365日、1週間は7日、1日は24時間…身近な「時」の刻み方はどうやって決められていったのか。そういえば知らない暦の成り立ちを、西洋史を交えながら紹介。ユダヤ歴、イスラム歴やヒンドゥー歴など世界の名だたる暦の数え方も説明する。太陰暦・太陽暦の数え方は規則的だが、現実とのずれの修正はさまざまで、地元文化、宗教、国々との対立などさまざまなドラマを生み出していた。ギリシャ時代から近現代までにわたる暦の移りかわりも解説する類書のない一冊。
目次
1 日
2 月と年
3 近代の暦の前史と歴史
4 復活祭
5 週と季節
6 その他の暦
7 年を記すこと
著者等紹介
ホルフォード‐ストレブンズ,リオフランク[ホルフォードストレブンズ,リオフランク] [Holford‐Strevens,Leofranc]
元・オックスフォード大学出版局学術顧問。オックスフォード大学で博士号を取得。2011年までコンサルタント・スカラー・編集者として同大学出版局で勤務
正宗聡[マサムネサトシ]
山口大学教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門は「現代英文学と時間」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
17
普段意識もせず当たり前のように使っている「暦」というものにはどのような歴史があるのか。太陽と月の運行から一年を定める歴自体は古代から相当な精度があったものの、それと当時の政治性、儀礼や慣習のリズムによって多彩な歴が文化や地域ごとに存在したこと、さらにはそもそも公的に歴を制定すること自体に伴う政治的な軋轢といったものを詳細に扱っていて密度が濃い。現行の国際標準歴であるグレゴリオ暦すら、春分の日や復活祭の調整という宗教的な意図と科学的合理性の結合であり、その際消えた十一日間をめぐって大混乱も起きたのである2015/09/21
ごいんきょ
9
宗教が絡むと暦を決めるのも大変なんですね。2020/02/23
Saiid al-Halawi
4
「xxxとyyyが執政官であった年」的なエポニムは現代の感覚からすると奇妙に聞こえるけど、西暦だって同じくらいローカルで特殊な性質のものだったというのが歴史的経緯をトレースするとよくわかる。それとフランス革命暦の厨二さ加減がひどい2015/12/15
たかみりん
4
私達が普段何気なく使っている日や月や年といった時の区切りの概念とはそもそも何であるのか。どのようにして決められたのか。タイトル通り暦と時間の歴史を紐解く本。私達が今、世界共通のものと思っている暦は近代になってから整備されたものであり、それまでは各国ばらばらの暦を使用していた。年の始まりは必ずしも1月1日ではなかった。興味深い内容だが、かなり複雑な概念が分かりにくい翻訳文で書かれていて理解が難しい上に、たまにびっくりする誤字や誤訳もあったりなど、全般的に少々読みづらいのが玉に瑕。2013/11/18
海星梨
3
暦と表題につくものを読み漁っています。暦の歴史を小さい単位からみていくという構成の本で、探していた情報に近いものでしたが、知識がなくてついていけませんでした。ただ、同じ国でも暦が違って、宗教ごとに違って、と現代からでは想像のつかない世界を想像して、壮大さに怖気づいたりしつつ。またいろいろ調べてから総括として読むといいかなと思っています。2019/05/03