中井久夫集〈6〉1996‐1998 いじめの政治学

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中井久夫集〈6〉1996‐1998 いじめの政治学

  • 中井 久夫【著】
  • 価格 ¥3,740(本体¥3,400)
  • みすず書房(2018/04発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085768
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0311

出版社内容情報

子ども社会におけるいじめの進行過程を分析した表題作ほか、PTSDやこころのケア、ロールシャッハ・テストに関する論考等30編。精神医学において、従来の精神障害を「内科的疾患」とすれば、心的外傷に続発する障害は「外科的障害」である。こちらのほうは、個人的に耐え忍び、自分の中に抱え、自力で処理されるべきものとされてきた。たとえば肉親・近親者・親友との離別、死別、幼児虐待、性的虐待、犯罪被害、被災、戦争体験、死に至る病の告知を受けること等々である。ところが、そうではなくて、コミュニティの中で支えられ、援助されるべきであると考えなおされてきた。この最近の世界的な思想的・社会的開眼という大きな文脈の精神医学版がPTSDとなって現れたのである。
(「喪の作業としてのPTSD」 1996)

いじめが権力に関係しているからには、必ず政治学がある。子どもにおけるいじめの政治学はなかなか精巧であって、子どもが政治的存在であるという面を持つことを教えてくれる。子ども社会は実に政治化された社会である。すべての大人が政治的社会をまず子どもとして子ども時代に経験することからみれば、少年少女の政治社会のほうが政治社会の原型なのかもしれない。
いじめはなぜわかりにくいか。それは、ある一定の順序を以て進行するからであり、この順序が実に政治的に巧妙なのである。
私は仮にいじめの過程を「孤立化」「無力化」「透明化」の三段階に分けてみた。これは実は政治的隷従、すなわち奴隷化の過程なのである。
(「いじめの政治学」 1997)

子ども社会におけるいじめの進行過程を分析した表題作ほか、PTSDやこころのケア、ロールシャッハ・テストに関する論考等30編。

1996年1月・神戸
戦時下一小学生の読書記録
喪の作業としてのPTSD
訳詩の生理学
私の三冊
清明寮の庭
私の「今」
記憶について
医師は治療の媒介者
三幅対
ハードルを一つ上げる
ロールシャッハ・カードの美学と流れ
詩を訳すまで
「創造と癒し序説」――創作の生理学に向けて
幼時の寸景――戦前のタクシーの記憶
赤と青と緑とヒト
「こころにやさしい」社会
二年目の震災ノート
日本の心配
いじめの政治学
定年を迎えて
秋田に行く
いじめの政治学から
精神科治療環境論
昭和72年の歳末に思う
私の歩んだ道
日本人は外国語がなぜできないことになっているのか
編集から始めた私
ボランティアとは何か
須賀敦子さんの訳詩について

解説6 最相葉月
掲載文・書誌一覧

中井久夫[ナカイヒサオ]
著・文・その他

最相葉月[サイショウハヅキ]
解説

内容説明

子ども社会におけるいじめの進行過程を三段階の政治的隷属化として分析した表題作ほか「記憶について」「喪の作業としてのPTSD」「定年を迎えて」等30編。

目次

一九九六年一月・神戸
戦時下一小学生の読書記録
喪の作業としてのPTSD
訳詩の生理学
私の三冊
清明寮の庭
私の「今」
記憶について
医師は治療の媒介者
三幅対〔ほか〕

著者等紹介

中井久夫[ナカイヒサオ]
1934年奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。精神科医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さえきかずひこ

16
解説の最相葉月が指摘するように本書を通底するモチーフは記憶である。そしていじめのメカニズムが主題になっている「いじめの政治学」は21頁にわたる読みごたえのある考察だが、それよりも全体的に1995年の阪神淡路大震災後の心のケアに尽力し、思索を重ねた著者の思慮深い言葉の数々にとても関心を深めることができた。自然災害が激甚化する日々のなかで、決して押し付けがましくなく語られる彼の考えに耳を傾ける人が一人でも多くなることを望まずにはいられない。著者は文学的造詣も深くささいな風景描写も美しく読んでいて心地よかった。2020/07/11

tamioar

4
中井先生のいじめ論は全文暗記したい。2018/08/04

Hiroki Nishizumi

3
ロールシャッハカードのあたりは難しいので流し読み。この頃定年を迎えたわけだ。この巻も枝葉的なところで感心した。PTSDとは「喪の作業」、実に腑に落ちる。また言語と文字の記憶とエピソード記憶のあたりは勉強になった。今流行のメタについても既にふれられている。2023/03/05

NATSUMI

2
「いじめの政治学」のところだけ読んだ。孤立化→無力化→透明化。被害者にいじめられてるのではないかと聞くと怒るのは、自分のことを自分で始末する最後のイニシアチブ感覚を明け渡さないため。大人に明け渡すのは喪失感がある。被害者を絶対的に大人が守り、安全を確保しないといけないのだけれど、被害者の主体性も忘れないようにしないといけないと思った。2023/03/13

みみこ

2
人の気持ちはどうしても物的環境にも左右されるもの。人的環境によるフォローには限界がある。風や光にも気持ちを向けながら新しい場所を整えていくことが、支援者の息切れを減らして、関わる人にもあたたかな場所になっていくのだろう。2022/06/01

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