出版社内容情報
なぜ21世紀になっても貧困は解決しないのか。
内容説明
貧困と社会的排除は、21世紀福祉社会の「中心」にある課題である。福祉の「発展」の中で隠蔽されてきたこの課題に迫るために、第1部で現代日本の貧困と排除を検討する視点をまず論じ、第2部では貧困の実態についてのさまざまな角度や方法による実証研究を収録するとともに、第3部は、戦後日本の具体的な福祉政策が貧困をどのように対象化し、具体的プログラムを展開していったのかを多様な角度から検討する。さらに第4部において、貧困や社会的排除からの出口を模索する。
目次
貧困・社会的排除と福祉社会
第1部 現代の貧困を見る視点(政策と貧困―戦後日本における福祉カテゴリーとしての貧困とその意味;排除による貧困―東京の都市下層)
第2部 貧困の分布と諸相(収入からみた貧困の分布とダイナミックス―パネル調査にみる貧困変動;住宅からみた高齢女性の貧困―「持ち家」中心の福祉社会と女性のハウジング・ヒストリー ほか)
第3部 貧困と政策展開(「被保護層」としての貧困―「被保護層」は貧困一般を代表するか?;福祉政策と女性の貧困―ホームレス状態の貧困に対する施設保護 ほか)
第4部 福祉社会への模索(檻のない牢獄―野宿者の社会的世界;貧困地区の改善戦略について―島団地再生事業の経験から)
著者等紹介
岩田正美[イワタマサミ]
1947年生まれ。1971年中央大学大学院経済研究科修士課程修了。博士(社会福祉学)。日本女子大学人間社会学部社会福祉学科教授(社会福祉学)
西沢晃彦[ニシザワアキヒコ]
1963年生まれ。1994年東京都立大学社会科学研究科社会学専攻博士課程単位取得退学。東洋大学社会学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。