内容説明
正倉院に伝来した数多くの宝物と、それを生み出し、また保存してきた人びとの営み、そのあとに残された大量の文字による記録は、総体としてまさに奈良時代に始まる歴史そのものの生きた姿だ。著者が学んできた日本古代史という分野を、あらためて自身の立脚点と位置づけたうえで、「正倉院宝物の世界」の奥行きと広がりについて知ることの有用性を説く。
目次
正倉院宝物―奥行きと広がり
1 「もの」と技法の世界(概観のための視座;「もの」の集合―在庫品カタログ;出土品と伝世品;技法別の整理;「もの」と文字)
2 どんな役に立つのか(「文字の宝庫」としての正倉院;正倉院の文字資料;大宝律令と官僚制―官位令と職員令;国家祭祀と国家仏教の展開―神祇令・僧尼令 ほか)
著者等紹介
杉本一樹[スギモトカズキ]
1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退、博士(文学)。専攻、日本古代史。現在、宮内庁正倉院事務所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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