内容説明
ダイナミックに発展する「世界の工場」中国の多様な側面を、新しい分析やデータを交えて描きます。世界一となった中国の工業力の源泉である労働、資本、技術の現状と将来を分析するとともに、工業の担い手であるさまざまな企業について解説し、中国の成長が持続可能かどうか検討します。
目次
第1章 経済成長の過去と将来
第2章 計画経済と市場経済
第3章 労働市場
第4章 財政と金融―工業化の資金調達装置
第5章 技術―キャッチアップとキャッチダウン
第6章 市場経済のなかの国有企業―「負担」か「パワー」か
第7章 外資系企業と対外開放政策
第8章 民間企業と産業集積
終章 中国の前途に待ちかまえる罠
著者等紹介
丸川知雄[マルカワトモオ]
1964年生まれ、1987年東京大学経済学部卒業。アジア経済研究所を経て、東京大学社会科学研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
29
現代中国経済を知るためのテキスト本。供給サイド、つまり世界の工場となっていった経緯に焦点を定めて説明しているので読みやすい。中国のモノづくりと聞くと「劣化コピー」的なところから入ってしまうが、共産主義という建前から民間企業の設立や外資導入をスピーディーにしていくための制度づくりの工夫に驚く。そもそも、近代化のための悪戦苦闘は清代からあり、戦争による中断後もソ連から技術供与を受けながら進めていた。中国の産業政策が大きく転換したのはソ連が一方的に技術供与を打ち切ってからで、ここから独自性が出てきて興味深い。2022/12/11
masabi
21
【要旨】中国経済史の概説書。【感想】計画経済期の独特な経済システムから現在のキャッチダウン型技術進歩まで中国の経済を語る上での基礎知識が手に入れられる。2017/01/30
本命@ふまにたす
2
現代の中国経済について、主に供給側に焦点をあてて概観。印象論ではなく、データに基づいて論を展開する姿勢が印象に残った。ただ、ややボリュームがあるか。2021/07/06
るくせる
0
著者の授業の教科書。データとその内実の見方は面白い。著者はコミュ障。2015/05/14
ふら〜
0
簡潔にまとまっている有斐閣アルマシリーズ。人口ボーナスを失した状態で中国は何処に向かっていくのか、人生通して注視しないといけない対象。2022/02/12