内容説明
本書は、最新のジェンダー学、女性学、フェミニズム、クィア・スタディーズの視座に立って、言葉も時代も地域も異なるさまざまな社会の文化表象を多角的に読み解いた、個別研究成果の集成である。多様で錯綜した現実を読み解くうえで、「ジェンダー」という視角あるいはファクターを考慮に入れるとはどういうことなのか、種々の専門研究領域が培ってきた問題意識を投影しながら検討をすすめるとともに、ジェンダー視点そのものを再検証し、それをふまえた研究のあらたな展開の可能性を探る試みの軌跡がここにある。
目次
1 理論篇 ジェンダー研究の地平を見る(ジェンダー・アイデンティティという虚構;なぜ小倉千加子は、フェミニズムは失敗した、と言うのか―あるいは、フェミニズムのジェンダー論的転回について;マイノリティの政治と性的差異―ジュディス・バトラーと現代のセクシュアリティの配置)
2 実践篇1 ジェンダーから現代社会を見る(パックスに見る現代フランスのパートナーシップのあり方;女であること、アジア人であること―現代英国の文化闘争;現代ドイツ社会における女性像 ほか)
3 実践篇2 ジェンダーから歴史・文化の表象を見る(江戸時代の女性観;ジェンダーとネイションの再構築―マライア・エッジワース『ペリンダ』(一八〇一)
マッチョ・ヒーローの誕生―男性性の再編成と文学表象 ほか)
著者等紹介
中野知律[ナカノチズ]
一橋大学大学院社会学研究科教授
越智博美[オチヒロミ]
一橋大学大学院商学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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