目次
交差点としての昇華
第1部 昇華理論の展開(フロイトの昇華理論;フロイト以後の昇華理論)
第2部 昇華理論の批判的検討(昇華の動因論と価値論;クラインの昇華理論再検討)
第3部 昇華理論の臨床的応用性(象徴産出的去勢の臨床実践;男根期的再建と肛門期的再建、あるいは偽りの昇華)
天才論から喪の作業へ
著者等紹介
堀川聡司[ホリカワサトシ]
1987年京都市に生まれる。2010年京都大学教育学部卒業。2015年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。現在、目白大学心理カウンセリングセンター助教。博士(教育学)。臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルンブマ
3
フロイトが昇華理論を提唱した当初は、昇華は崇高なものであり、全ての人類が保持している能力ではないとされた。「昇華による制覇、すなわち性的な欲動 エネルギーを性目標からより高尚な文化的目標へと逸らせることによる制覇は、少数の人にしか成功しないし、しかも、成功したとしてもおそらく一時的でしかない 」と彼が語るように、昇華はごくわずかな人間、すなわち天才にしかできないと考えられていた。しかしながら、このような天才論としての昇華理論はフロイト以降の理論的探究により、失墜していく。2020/12/21