内容説明
推理小説としての謎解きからでは見えてこなかったであろう、乱歩作品に描かれた一人二役的関係を明らかにする。日本近代文学研究の対象として読み、解釈を施した乱歩文学研究の初めての成果。
目次
第1章 『ぺてん師と空気男』論(『ぺてん師と空気男』に対する評価;The Compleat Practical Jokerと『ぺてん師と空気男』 ほか)
第2章 「猟奇の果」論(「猟奇の果」について;宇野浩二「二人の青木愛三郎」と「猟奇の果」 ほか)
第3章 「二人の探偵小説家」論(「二人の探偵小説家」について;名前の交換とアイデンティティーの融合 ほか)
第4章 「闇に蠢く」論(「闇に蠢く」執筆の事情;野崎三郎と籾山ホテル主人、えびす神 ほか)
第5章 「人でなしの恋」論(「人でなしの恋」のテーマ;門野の人物像と人形の描写 ほか)
著者等紹介
宮本和歌子[ミヤモトワカコ]
東京都生れ。京都大学文学部東洋文献文化学専攻国語学国文学専修卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科共生文明学専攻修士課程を経て博士後期課程修了。平成23年3月、博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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