内容説明
底力を読み解くカギは「仁政」「御救い」「百姓成り立ち」「中間層」の4つ。将軍も藩主も、武士も百姓も商人も職人も、みんなが一丸となって支えた日本!
目次
はじめに―徳川社会の見方
第1章 兵農分離の社会
第2章 幕藩領主支配の展開と社会
第3章 村こそ徳川社会の基盤
第4章 主張する百姓たち―三七〇〇件の百姓一揆
第5章 災害の復興と経験の記録化
第6章 改革政治と社会の変容
第7章 徳川社会を支えた中間層
第8章 大規模民衆運動の登場
第9章 徳川社会から近代社会へ
おわりに―徳川社会と現代社会
著者等紹介
山〓善弘[ヤマサキヨシヒロ]
1968年、兵庫県に生まれる。2003年、関西大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期課程修了。神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター研究員、奈良教育大学教育学部特任准教授を経て、現在、東京未来大学モチベーション行動科学部専任講師。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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dahatake
1
本当に良い本と出会えた。 歴史の話は「政治」を扱うことが多い。でもここでは民衆をコアにした「社会」を取り扱っている。江戸幕府が、武家政権でありながら、儒教をベースにした武士と百姓の双方の生きていくための知恵の絞り合いが読み解ける。そして豪商などムラの力を聞く耳があったことも。 興味深いのは飢饉が多かったこと。これは今とは違う。 この社会が倫理の欠如していた明治政府に移り変わる様を考えると、よく西南戦争程度で留まったものだと思う。 日本人たらしめるものは、その倫理観だと思った。2022/01/23
近藤こたつ
0
なんだかんだいって、徳川社会ってすっごくよくできたシステムなんだよなぁ。もちろん、今と価値観異なるところもあるし、一概にすべてがいいと言えるわけではないけど。農業が大変だったり利益が少なかったりするところは今も変わらないけども。生類あわれみの令で有名な綱吉も、最近評価変わってきたよねぇ。徳とか仁とは何か考えさせられるわ。2022/07/14