出版社内容情報
「人はなぜ神経症になるのか」は100年たっても色あせることはない問題提起である。不安定な自我のあり方を現代に置き換え分析する
錯誤:意識の失敗 夢幻:こころの力 我欲:性の秘密 煩悩:神経症からナルシシズム 我執:寄る辺なき時代の「自我とエス」
妙木浩之[ミョウキヒロユキ]
1960年東京生まれ。上智大学文学部大学院満期退学。佐賀医科大学助教授、久留米大学教授を経て、現在、東京国際大学人間社会学部教授。南青山心理相談室、精神分析家。日本精神分析協会会員(準会員)。著書に『父親崩壊』(新書館)、『フロイト入門』(ちくま新書)、『初回面接入門』(岩崎学術出版)など。
内容説明
本書は、第一次世界大戦期にフロイトが発見した神経症の新しいかたち「ナルシス的精神障害―自己愛神経症」によって、大きく形を変えていった「自我」のありかたを辿り直す。そして著者は現代のインターネット時代における、あまりに多様な価値観のなかで翻弄・分断され「寄る辺なき自我」になってしまう姿を見出していく。本書のもうひとつのねらいは、「大戦期に生み出された思想」としてフロイトを読み直すことだ。著者はフロイトと同時代に生きたヒトラーをナルシス的神経症と捉えることによってナチの台頭、その後の現代まで続く群衆心理の危うさも指摘していく。
目次
序章 初心
第1章 錯誤:意識の失敗
第2章 夢幻:こころの力
第3章 我欲:性の秘密
第4章 煩悩:神経症からナルシシズムへ
第5章 我執:寄る辺なき時代の「自我とエス」
終章 自我:現代社会におけるナルシシズム
著者等紹介
妙木浩之[ミョウキヒロユキ]
1960年東京生まれ。上智大学文学部大学院満期退学。佐賀医科大学助教授、久留米大学教授を経て、東京国際大学人間社会学部教授。南青山心理相談室、精神分析家。日本精神分析協会会員(準会員)。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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