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シベリア抑留―絵画が記録した命と尊厳

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  • サイズ A5判/ページ数 143p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784779122507
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0021

出版社内容情報

戦後、ソ連軍の捕虜となって極寒の地で過酷な労働を強いられ

60万人もの日本人が連行された歴史。

胸に突き刺さるような87枚の油絵と体験記で

体験者が次の世代に伝えるメッセージとは。オールカラー!



友よ、答えてくれ! お前の家族に何と伝えればよいのか!

(極寒の埋葬)



馬も大粒の涙を流して死んでいった。そして代わりに人がソリを引く

(人間馬そり)



「働け!早く」凍結した土はコンクリートのように固い

(赤軍兵舎の水道工事)

勇崎 作衛[ユウザキ サクエイ]
ゆうざき・さくえい
?シベリア抑留者で画家。1923年富山県生まれ。
21歳で満州に召集(衛生兵)され、
翌年、捕虜となり3年間、収容所生活の後引き揚げ。
帰国後にシベリアでの体験を再現した。
全国各地で展覧会を行い、本書に掲載した87枚の作品群や
スケッチを発表。
ドキュメンタリー番組NNNドキュメント
「八十八枚のシベリア」(2005年)で放送され話題を呼ぶ。
2011年死去。

石黒 謙吾[イシグロ ケンゴ]
いしぐろ・けんご
?著述家。1961年金沢市生まれ。叔父がシベリア抑留体験者。
映画化された『盲導犬クイールの一生』(文藝春秋)をはじめ、
『2択思考』(マガジンハウス)、
『分類脳で地アタマが良くなる』(KADOKAWA)、
『7つの動詞で自分を動かす』(実業之日本社)、
短編集 『犬がいたから』(集英社)など著書多数。
編集者としても『日本は、』(G・D グリーンバーグ/彩流社)、
『ナガオカケンメイの考え』(ナガオカケンメイ/新潮社)、
『読む餃子』(パラダイス山元/新潮社)など、
手がけた書籍は150冊以上。

内容説明

あなたの家族がこの収容所にいると想像してみてください。冷凍庫より寒い地で、死に至る労働と飢え。人としての尊厳とは?死者は6万人とも34万人とも…

目次

将校官舎の惨劇
丸坊主の日本女性
運命の拉致行
ソ連領 初の驚き 少年盗人集団
シベリア着第一日目の恐怖
バイカル湖の秋
バイカル湖暮景
第七大隊収容所 髭のO大尉
寒さと空腹の伐採作業
残飯あさり―赤い吹雪〔ほか〕

著者等紹介

勇崎作衛[ユウザキサクエ]
シベリア抑留者で画家。1923年富山県生まれ。22歳で満州で捕虜となり、3年間の収容所暮らしを送り引き揚げ。復員後は、東京で家具商を営みながら、記憶を頼りにシベリアの体験をスケッチで再現していった。65歳からは油絵を始め、その後20年近くにわたりシベリア抑留体験の作品を描き続ける。2011年逝去

石黒謙吾[イシグロケンゴ]
著述家・編集者。1961年金沢市生まれ。伯父がシベリア抑留者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

36
シベリア抑留時の状況を絵で復元したもの。日本人としてどころか「人間」としてのプライドを捨てないと、今にも死んでしまうほど過酷な状況下に置かれ、強制労働を強いられ、栄養失調や病気、仲間の死を乗り越え帰国された方々。言い表せないほどの地獄だったろうと思います。この絵を見るだけでも本当に戦争が憎いです。2016/09/04

古本虫がさまよう

4
冒頭から「将校夫人は、乱暴され、銃剣で刺し殺された」「女性は坊主頭にならないと何をされるかわからない」のキャプションの絵画で始まる。 「少しでも大きいところがほしい! 全員が真剣に見つめる」「黒パンの分配」という絵もある。貰い物の羊羹が仕事場で配られた。それをみて、僕などは、当然、厚く切られた羊羹を手にした。現代でも、さりげなく(?)そういう選択をする人が多いことだろう。一人一切れなら、少しでも分厚い羊羹を手にするものだ。単なる「三時のおやつ」程度でそうなら、生きるか死ぬかのシベリアの極地でなら尚更…。2022/07/14

Haruka Fukuhara

4
印象深い絵の数々。文章も冷静に読みたいのに編集で変に文字が強調されていて落ち着かない。編集者の熱意がなければこうして自分の目に触れることはあり得なかったのでその点の功績は計り知れないにしても、あまり自分のメッセージ性を前に出して作品を歪めるのは感心しない。前書きも蛇足にしか思えなかった。あとシベリア抑留は「ソ連」のおぞましさであって「戦争」のおぞましさの表れなのかはわからない。共産圏は戦争時に限らず人間を虐げてきた事実がある。何にせよ、重い歴史。何と声をかければいいかわからないが、お疲れさまでした。2017/02/17

としき

2
15年前に亡くなった父はシベリア抑留者だった。戦後13年経って最後の引き上げ船で舞鶴港に帰ってきたと聞いている。本人は当然のごとく惨たらしい抑留生活については一切口にしなかった。極寒の地で仲間が次々に飢えと寒さに耐えきれず死んでいく姿など思い出したくもないのは当然だろう。同じ抑留者の作者は、この体験はやはり後世の我々にも語り継いで、二度と人がひとを殺しあう戦争を繰り返してはいけないと思い、辛い思いをしながらこの85枚の絵を描いたのだろう。でも情けないかな、今平和ボケした自分には現実としては捉えられない。2016/08/29

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